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ゴーストライター (講談社文庫)
 
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ゴーストライター (講談社文庫) [文庫]

ロバート・ハリス , 熊谷 千寿
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

元・英首相のゴーストライターが陥った罠。イラク戦争を境に人気を失った英国首相の自伝代筆を引き継いだ作家に危機が降りかかる。前任者の怪死の裏には米英の陰謀が隠されているのか? 迫真のスリラー。

内容(「BOOK」データベースより)

見た目の華やかさで人気を博した元首相、アダム・ラングのゴーストライターとなった私は、孤島に滞在中の彼から聞き取り取材を始めた。だが捗らない原稿に悩まされるうちに、執筆途中で水死体となって発見された前任者の死因に疑問を持つようになる。実際に英国首相と昵懇だった著者が描く謀略スリラー。

登録情報

  • 文庫: 480ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/9/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062764431
  • ISBN-13: 978-4062764438
  • 発売日: 2009/9/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By bias トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
面白かったあ、かなり。
ポランスキーによる映画化を知って、公開前に、と思って購読したけれど、
大正解。460ページあまり、盆休み中に一気に読んでしまった(なお、
著者は複数の翻訳もある生粋の英国人。日本でご活躍のDJとは同名異人)。

こんな面白くても、現代海外ミステリのコアな読者の方が読むと、
翻訳も含め、色々とツッコミどころがあるかもしれませんが、
自分にとっては、ただただ引き込まれた小説、と告白するしかない。

英国の前首相の自伝のゴーストライターである「私」が主人公の、
巻き込まれ型サスペンス。その“ゴースト”の前任者の謎の死が作品のキモ。
カンのいい読者は、途中で結末を予想するかもしれないが、自分はまさか、
ああいう展開になるとは気づかず、最後数ページまで充分堪能させてもらった。

本書を魅力的にしているのは、前首相夫人のルスと、前首相秘書アメリアの対比。
前首相ラングを挟んだ3人の関係、「私」へのアプローチが絶妙。
「私」には、ガールフレンドのケイト(この名前、偶然ですかね)もいて、
登場場面は少ないが、彼女の存在も、実に効果的。

前首相は、風貌からいっても明らかにブレアがモデルだろうけれど、
読み進んでいくと、国家の元最高権力者と、実は夫以上の政治家である妻、
という意味では、他国ながらクリントン夫妻も彷彿とさせる。

舞台の大半が、米国東海岸の高級保養地、マーサズ・ヴィニヤード島というのも上手い。
エドワード・ケネディ上院議員の不名誉な自動車事故という史実が、
作品の底に流れ、主人公の不安を巧みに演出している。

ところどころで、「私」は自嘲をこめつつ、“ゴースト”としての自負を語る。
その一節……、
「さっき本物の作家ないといわれて、まだ胸がうずいていた。
そのとおりかもしれない。…(中略)…私は自分が文学界における
旋盤の熟練工とか籠編み職人だと思っている。陶工といってもいいかもしれない。
人が買いたいと思うような、多少は目の保養になるものをつくる」(p272)

――いいえ、「多少」以上。かなりの保養になりました。

[追記]
映画も観ました。よくできてました。説明的でなく、映像に語らせつつも
分かりやすく、緊張感の持続もみごと。ラストも映画ならではの表現。
こちらも、★5つ。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:文庫
読み進めば読み進むほど、どんどん暗い闇の中に引きずり込まれるような小説でした。
主人公は、元英国首相のアダム・ラングのゴーストライターとなった「私」です。
ところが、この仕事にはマイク・マカラと言う前任者がいました。しかも彼は、不審死を遂げています。
何度読んでも面白みのない原稿に、大幅に書き換えようとインタビューを始めます。
ところが、この前任者の行動を追ってゆくことによって、裏にある大きな組織・陰謀が見え始めます。
そこから、物語は大きなうねりを成して、政治的な局面へと進んでゆきます。
「私」は、どうなってしまうのか・・・。
と言う様な物語なのですが、イラク戦争や捕虜の拷問の問題など、実際にあったとしか思えない事件まで絡んできます。
「ゴースト」の「ゴースト」になってしまう「私」の落ち込んでゆく陥穽に、読者も一緒に落ちて、途中、不安感に満たされてしまう作品です。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By s.raymond VINE™ メンバー
形式:文庫
映画館の予告編で映画に興味を持ったのがきっかけで、映画を見る前に、この本を読みました。
恥ずかしながら、著者のことは全く知りませんでした。(英語ペーパーバック版のレビューによればベストセラーも
何冊か書いている作家のようです)

そういうわけで、作風等について何の先入観も持たず、読むことになりましたが、期待以上に面白いストーリーでした。
芸能・スポーツ人専門の覆面作家が、とあるきっかけから、英国前首相の回顧録を引き受けることから物語は始まります。

しかし、前首相は、米国と組んでテロリストに対する拷問を幇助した容疑で、国際刑事裁判所から告訴寸前であり、回顧録
の前任覆面作家は、謎の自殺を遂げている、という波乱含みの状況です。
主人公の作家は、きな臭さを感じつつも報酬に目が眩んで仕事を引き受けますが、様々な不安が疑問に、疑問が推測に、推測が確信に
変わっていくスリリングな展開に、読んでいてグイグイ引き込まれました。何度もどんでん返しがあって、最後の一頁を読み終わるまで
油断が出来ません。著者のストーリー・テーリング技術の高さを感じました。

とくに驚かされたのは、“英国首相が米国情報機関に操られている”という仮定を構想の核としていることです。
各国とも各国の首脳に対し様々な工作を行っていることは理解できるし、たとえば日本の場合なら、戦後の体制が米国情報機関の工作下に
あったことは有名ですし、米国公文書図書館で公開された情報でそのことは明白になったりしています。戦後ばかりか現在でも、あの政治家、
あの首相、あの閣僚、あの学者などは、そうではないかと顔を浮かべることが出来ます。
日本ならともかく、まさか、MI5,MI6を誇るある英国で、そんな馬鹿な事が起こるのだろうか? という設定に驚き、かつ、どう考えても前首相のモデルは、ブレア前首相と容易に想像させる設定にも驚いたからです。この大胆な構想が、この作品の一番の“売り”と感じました。

ただ、難を感じた点もあります。
一人称主人公による、独白、情景描写に多くの文章を割いているのですが、やたら冗長な表現が多いというか、キレがまったく無いのです。
独白の中で様々な比喩を屈指しているのですが、まったく面白くない。この点、翻訳の問題なのかもしれませんが、読者によって好悪の分かれるところだと思います。

また、主人公が事の真相に気づく発端のエピソードが、あまりにもご都合主義っぽすぎるところが気になりました。(プロの殺し屋が、そんなミスしたりはしないだろう!)

最後に、まるで英国版の「いろは歌」ミステリーが出てきます。これはこれで楽しめたけど、あまりにも多くの仕掛けを投入した為、かえって
全体としてのまとまりを欠いてしまっている感は否めませんでした。

そのため、秀逸な構想は満点ですが、トータルでは☆1個マイナスとしました。
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