スーパー戦隊シリーズ第35作目の記念作品だけあってとにかく豪華な内容です。
作品の構成はクロスオーバー要素がありつつも、現役戦隊と先輩戦隊が最初はいがみ合いながらも、共闘を経て認め合っていくというVSシリーズの王道パターンです。天使と海賊という、地球への価値観や守るという使命感が全く異なる両戦隊だけに、ぶつかり合いをしながらも、徐々に互いを理解していく過程を見ていくのは感慨深い物がありました。
サイドストーリーとして、変身能力を失い一般人として各々の人生を歩むレジェンド戦隊の面々が、不況で自暴自棄になったサラリーマンに、変身できないわが身を重ねつつも前向きに生きていこう、と諭すシーンは現実の情勢を反映しており、メッセージ性の強い物になっています。
関心したのが、脚本を手掛けたのが長年戦隊シリーズに関わってきた荒川稔久さんだけあって、スーパー戦隊を愛する人達への感情を考慮した物語になっていたことです。
商業的な面からいえば、現役のゴーカイジャーだけをプッシュしていれば良いもの、冒頭のレジェンド大戦を丁寧に描く事によって、ゴセイジャーらしくないレンジャーキーを強奪する行為に対して理由や葛藤があった事を示し、アラタの謝罪と説得に対して、ゴーカイジャーが海賊らしく、一見宝を優先する回答を出す事で、一方的にゴセイジャーが悪者になる事を防いでいる事からそれがわかります。
他にも黒十字王の傀儡として召喚されたレンジャーキーを実体化した戦士と戦う事へのフォローがなされていますし、過去作のファンも気持ちよく見れます。
極めつけはクライマックスのロボ戦で、一般市民が大切に持っていた玩具が実物化するという非常に夢のある展開となっています。
オーバーな表現になってしまいますが、表現方法や立場が違っても他者を助けたいという気持ちが大切な事や、今の人間に欠けている他者との絆や前向きに生きる事への大切さを教えてくれる映画だと思います。