「フリゲート艦パルラダ号」より、日本周辺の部分のみ抜き出した編集。
おおまかには、香港発、小笠原を経て長崎滞在。そののち沖縄だが、
長崎滞在間、数度上海やマニラなどへ補給に行った部分については省いてある。
力量ある作家による異文化見聞記録は、読み応えがあろうというもの。
応接のメニューや、日本側交渉担当者の日記、公式記録などが
注としてついており、それもまた補足として面白い。
ことに川路聖謨の日記はユーモラスで面白いと同時に、
江戸時代の日本人が、西洋のどういうところに驚いたのかという参考にもなる。
ゴンチャーロフの観察眼は鋭く、また異文化への柔軟な見識を持っている様子が見える。
ただ、彼が最後までプチャーチンと行動を共にしなかったのが残念でならない。