ゴルゴの作品には、例えば、「ゴルゴの意外な人間味が表現される話」と「非情さが際立つ話」、「神業のスナイプが冴える話」と「状況判断に感心する話」、また、「ゴルゴの生立ち・プライベートに関わる話」と「ゴルゴ自身はほとんど登場しないがその存在感が際立つ話」というふうに、いろいろな角度の様々なバリエーションがある。
本巻に収録されているのは、ゴルゴの人間味が際立つ「最後の酒」、いかにも「仕事だ」というゴルゴのプロフェッショナルぶりを示唆する「ある女の視界」、神業のスナイプと状況判断に感心する「極限標的」、そしてある親子の人間模様を描きつつゴルゴの存在感が際立つ「真のベルリン市民」の4作品である。
本巻の中で一番おもしろいと思ったのは、「極限標的」である。復讐に燃える元・大統領専用狙撃班のエースが良心を捨て去り、ゴルゴに挑むのであるが、ゴルゴの冷静沈着な判断力・行動力の前に、あっけなく敗れ去る様が痛快であった。所詮は漫画の世界ではあるけれど、やはりプロフェッショナルであるゴルゴは格好よい。
私は煙草は吸わないのであるが、ついつい、トルコ産の「トレンド」を燻らせてみたくなるのである。