「ITに無知で無能な日本の政治家」という痛烈なメッセージの込められた表題作です。
さいとう・たかを先生のような賢人が政治家にいれば日本ももっとマシになるだろうと思わされる一方、やはりあくまでも「劇画家さいとう・たかを」であってほしいと思います。
「ユビキタス」とは「(コンピュータが)偏在する」の意味。
コンピュータに支配・管理された世界に我々人類は今生きている。
だが技術者の良心と資本主義的な利権が死闘を演じるが如く絡み合う今の世にあって、あまりにも愚かな政府。
人類共有の財産を独占している権力は常に傲慢だ。
不可能を可能にするゴルゴはそんな世界的風潮の風穴たる、決して「救世主」ではありませんが、「特異点」かもしれません。賢者がいるのは政界や権力の座ではない。
第128巻『300万通の絵葉書』を思い出させます。
この世にゴルゴ13が存在するからテロが起こるのではなく、テロがあるからこの世にゴルゴ13が存在するわけです。
『最後の酒』はゴルゴのサポート役の世代交代です。
『爆弾魔』の「おじさんのような三十代半ばの人って、一番情報機器を駆使して仕事しなきゃあならない、世代だろ!?」は耳が痛いです。
『ユビキタスの迷路』(2003/7)
『最後の酒』(2002/12)
『1インチの錯覚』(2003/6)
『爆弾魔』(2003/2)
の4編を採録。