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ゴルギアス (岩波文庫)
 
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ゴルギアス (岩波文庫) (文庫)

プラトン (著), 加来 彰俊 (翻訳)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ソクラテスと3人の人物との対話は、弁論術が立身栄達の術とされている現実や若い人の実利主義的道徳意識などを次々と明るみに出す。プラトン(前427‐347)は本篇によって、個人の道徳と同時に政治の問題を追求し、アテナイの現実の政治に痛烈な批判を投げかけた。後に『国家』において発展させられた哲人政治の思想の第一歩である。

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5つ星のうち 5.0 認識を広めるために, 2006/8/3
 『ゴルギアス』はプラトン諸対話篇のうち前期に属する作品であり、それはすなわち、登場するソクラテスがかなり実際の姿に近いと考えられていることを意味します。『饗宴』『パイドン』などの中期作品に見受けられるイデアはまだ現れず、そういった意味では読みやすく、対話篇の中では入門書と位置づけられるでしょう。個人的には『弁明』『クリトン』を読んだ後に手にとるのがいいかと思います。
 内容のほうに触れましょう。この本は当時アテネで既に有名となっていたソクラテスが賢人と名高いゴルギアスの館に赴き、ゴルギアス、ポロス、カリクレスといった三人の智者とそれぞれ論争を行うという筋立てで、対話形式によって書かれています。
 その論争のどれもは勢いがあり、読む者の知的な刺激を引き起こさずにはいられません。たとえば「不正を行われることは不正を行うことよりも善い」と真剣に主張するソクラテスに、若く勇ましきポロスは唖然としますが、彼の透徹な思考に裏づけされた理にかなう弁論を聞いて、やがて彼の主張が正しいことを認めざるを得ません。その詳細はぜひ実際に読んで確認してください。一見の価値があります。
 しかしこの対話篇の真骨頂はポロスでも題名のゴルギアスでもなく、最後のカリクレスとの論争にあります。「力こそ正義」と敢然として謳い、老人ならともかく若者が哲学なぞを学ぼうとしているなら、その若者をぶん殴って目を覚まさせてやるべきだと言いのけるカリクレスは、虚学を愛する、あるいは学んでいる者の頭の上に相当に重くのしかかることでしょう。彼の主張は文学・哲学を好む者には決して避けて通れないものを示しています。最終的にソクラテス・カリクレスのいずれに与しても、熟慮した時間は決して無駄になりません。
 対話篇の中でおそらく最も面白い本なので、繰り返し読むことを前提に購入してみて下さい。
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5つ星のうち 5.0 代表的哲学書のひとつ, 2005/2/3
品行、誠実よりも雄弁と美辞麗句を振るう者が権力を
持つ古代アテナイが舞台。その代表者ゴルギアスの元
を訪ねたソクラテスが弁論のみを重視する政治家達を
痛烈に、そして鮮やかに批判する。
軽薄な弁論術批判から真の幸福とはなにかそして
正義の本質まで議論が追及されていく。
特に後半の智者カリクレスとの対決が見物。
現代における正義や真実に疑問をもつ方には
必読の書。
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5つ星のうち 4.0 プラトン哲学への序章, 2009/9/13
 プラトン哲学において、その前期と中期を結ぶ作品として位置づけられているのが、本作『ゴルギアス』です。この時点では、有名な<イデア論>はまだ表明されておらず、プラトン思想は発展段階のものでありましたから、問題となる様々なテーマが、いわば剥きだしの状態で提示されています。それだけに、読者に「考える素材・きっかけ」を与えてくれる書物として、哲学入門としてはうってつけの作品ではないかと思います。
 本作の前半部分は、ソクラテスとポロス、そしてゴルギアスとの対話で進行し、<弁論術とは何であるか>という問題を中心に論じられます。ソクラテスはそれを<善ではなく快を志向するもの>として斥けることになるのですが、おもしろくなるのはそのあと! 気鋭の政治家カリクレスが登場する後半部分です。
 カリクレスは、善といったものは法律習慣の上に築かれた「弱者」の戯言であるとし、それに対して、強者が弱者を支配する≪自然の正義≫を礼賛します。<放埓は醜いことだと言い立てて「節制」と「正義」を褒め称える>のが大衆の実態であり、思うがままに欲望を充足させることのできる強者こそが、真の正義の体現者であると言うのです。この主張は、現実社会の後ろ盾を持つがゆえに強力なものです。「勝ち組」「負け組」といった言葉が我が国で盛んに用いられるように、大多数の人が、できれば「勝ち組」になって、金・地位・名誉に浴したいと思っているのが、今も変わらない実情ではないでしょうか。
 しかし、たとえそうした現実があろうと、プラトンはそれを真の正義と認めるわけにはいかない。なぜなら、この「自然の正義」の犠牲になった人物こそ、まさにプラトンの尊敬する師ソクラテスだったのですから。この対決は平行線のままで終わることになりますが、それが結果的には、プラトンを新しい哲学思想の形成に導くことになります。そして先述の通り、読者にとっては自ら考える良いきっかけとなることでしょう。
 真の道徳とはなにか。真の正義とはなにか……。
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