『ゴメンナサイ』です。
この本には栞が挟まっているはずです。できれば、その栞に何が書いてあるかを見ずに捨ててください。見てしまうとちょっとネタバレとなり、本書の興味がかなり削がれてしまう可能性があります。
本作は「日高由香の告白」「黒羽比那子の日記」「浦野祐子の手紙」の三部から成っています。日高由香の告白がケータイサイトで人気を博しました。後の日記と手紙の二編はケータイサイトには載っていない書き下ろしといったところです。
ケータイ小説ではありますが、本書はちゃんとした縦書きです。文章も非常にしっかりとしていて読みやすいだけでなく、情景を想像しやすいです。
有名作品との類似も指摘されているようですが、この手の作品の王道ということで有名作品を知っている読者が割り切れるかどうか次第のようにも思います。
告白と日記で、呪いの恐ろしさが示されます。
文字のパワーはすごいです。本文中にあるように、一瞬のインパクトならば小説の文字よりもマンガやドラマなどの映像などの方が強烈ではあるが、じっくりと浸透して長続きするのは文字で表現した小説なのです。中島敦の『文字禍』をちょっと思い出したりもしました。
そして手紙で、その呪いを解くためのお守りが読者に与えられます。詳細はネタバレになるので省略しますが、安心して呪いの世界の恐怖感を味わっていただきたいです。
手紙を読んでもどうしても呪いから解放されたと安心できない人は……そういう人は栞のお守りもどうせ信用できないでしょうし、作者である日高由香本人を捜して呪いを解かせるとよいでしょう。
当時女子高生だった日高由香タンは、もしかしたら今や変わり果てた姿になっているかもわかりませんが。
評価は★5です。