マーロン・ブランドが本物のマフィアのボスに見える。かつてマフィア映画でそんな経験をしたことがあっただろうか・・。麻薬、暴力、脅し、殺し、人身売買、これらがマフィアから思い浮かぶものだが、今まで見たマフィア映画では、ただ単にこれらの暴力的描写しかなかった。マフィアの奥底にある温かみや、優しさ、こんなことを知ったのは初めてだった。脚本は原作者のマリオ・プーゾと監督のフランシス・F・コッポラとの共同で、アカデミー脚本賞を受賞している。原作に忠実な脚本となっている。
登場人物全員が傑出している。これ程の素晴らしい俳優陣が集結されれば、文句なしの作品になることは決定づけられている。
ゴッドファーザーを演じたマーロン・ブランドは、「この人物は優しく男らしい、真の男だ」と読み取ったらしい。マーロンの役作りの結果、映画でのゴッドファーザーは人間味溢れる素晴らしい一人の人間として映った。アル・パチーノ演じる秀才の僕ちゃんは、自分の家族と関わらず人生を生きようとするが、ある事件により、彼の人生は一変する。 この映画をどう表現したらいい?マフィア映画でありながら、人間愛に打ちのめされる映画なのだ。家族を愛し、家族を大切にしない男はクズだ、と言ってのけるゴッドファーザーは、真の男である。彼が、ゴッドファーザーでなかったとしても、皆に慕われ、尊敬され、助けを求められたら断れない稀に見る素晴らしい人間だったことだろう。ゴッドファーザーになった経緯は、「ゴッドファーザーパート2」で明らかになる。
マーロン・ブランドは、原作者から「この役は是非ブランドさんに!」と懇願され、承諾した。原作者の決断力にも驚かされる。ブランドは40代前半だったが、ほうにティッシュペーパーを詰めてみて、鏡を見ながら凄みをきかせたセリフを喋ってみたら、「これなら年をとって見える」と安心したそうで、その後の役作りは、セリフを丸暗記しなかったという。おぼろげに覚えていることで、少し間を置いて思い出したようにセリフを言うことになり、セリフに人間味が出てゴッドファーザーに人間味を与えることとなったのだ。
私は、この作品を崇拝しているので、文句は1つもない。