面白い! ワクワクドキドキの連続・・
TV放映開始後、面白そうなので一気に45巻2回以上読んでしまいました。
医療者の目で見ると、可笑しな所も少なからずあります。しかし、その可笑しな所が逆に現実の医療者にとっては、理想ともいえる医療技術にあふれ、お互いを切磋琢磨しつつ思いやりに溢れた仲間意識の中で、ワクワクドキドキしながら、命を限りなく慈しむ院長とその部下たちの成長の物語を繰り広げていく様を、楽しく読むことができます。
作者はそれなりに医学書を紐解き、関係者に取材しながら、医療をある程度納得しやすい形まで消化し、医療クイズと人情物語を面白く合体させて見せてくれます。
主人公のキャラはかけ値なしで面白く、その指導医の北見医師のキャラは見掛け上逆だが、それゆえに笑えるし、命に対する情熱は同じくらい熱く読者を燃えさせてくれます。実際の医療現場で指導医を面と向かって呼び捨てにすることはできませんが・・ そこも面白いと言えば面白い。
また、医療の暗部も時に覗かせてくれます。支配とコントロールが常態化し、生命を軽んじる医療界を、テルの情熱が周囲を巻き込み、次々と打ち破っていきます。
これまでの医療漫画と大きく違うのは、それなりのリアリティ、燃えるような命に対する熱い眼差し、それに向かう飽くなき医療技術研鑽の姿勢でしょうか。その上にさらに天賦の才(天運)が加わっています。
ちょっと気になるところは、この物語は、命の大切さが痛いほど分かる才能のある人たちが中心になっていながら、家庭、家族をある一面(あるいはそれ以上)犠牲にしているということです。 それは医学、医療の充実、生命の尊重を極限まで追求しようとするならば、人生のある部分を犠牲にする覚悟が必要だということです。
一般の人たちは、ヴァルハラを切望し、医療者もやはり切望します。しかし、それには何らかの犠牲が必要になるであろうことを、是非覚えておいていただきたいと思います。
なんにせよ、久々におおいに楽しめた作品です。
ぜひお勧めしたいと思います。