本作は脚本の構成にまず問題があります。個々のシーンはどれもそれなりに面白いのですが、全体の流れとしてみるとどうにも間延びしている印象を受けます。また、登場人物の心情や、ゴジラの行動の理由をほとんど台詞で説明しているだけというのも問題点です。 登場人物がアクションで気持ちを表現してくれない為、暴走する科学 とか、ゴジラは人間の文明を憎んでいる という大事なテーマが観客の心に響いてこないんです。全部登場人物が台詞でそう言っているだけだから。 さらにそれが登場人物に唐突でおかしな行動をとらせる事にも繋がっています。例えばラストで阿部ちゃんがゴジラに対してとった行動。観ている側からすると完全に意味不明だと思います。 作風も妙に淡々としており、ラストの怪獣バトルも盛り上がりません。あれは怪獣の造形や予算云々ではなく、撮り方や演出のノウハウの欠如に思えてなりません。普通なら殴り合う時はもっと派手な音を入れるだろう、とかゴジラがもっとピンチに追い込まれるとか、如何様にもアイデアだけで面白くなるはず。しかし、本作のラストはほとんどやっつけ仕事のようにササッと終わらせた印象。さらにラストもガメラ3の模倣で終わるとは‥ これはゴジラ映画だけではなく、単体の映画作品としてみても出来は悪いと言わざるをえないですね。作劇の基礎も出来ていないですからね。