昭和ゴジラシリーズ最終作である「メカゴジラの逆襲」から9年の時を経て復活した、新たな歴史上で語られる「ゴジラ('84)」。「ゴジラ('54)」の直接の続編という形であるため、「ゴジラの逆襲」〜「メカゴジラの逆襲」までの昭和シリーズとは時系列的に繋がりはありません。
本作品、あまり人気は無いみたいなのですが、私は非常に気に入ってます。冒頭のショッキラス(巨大フナムシ)がいらない、カメオ出演が目立ち過ぎ、主演女優の演技が微妙、サイボットゴジラと着ぐるみの顔が似ていない等、批判も多いですし、正直私も一理あります。
しかし、久々の「怖いゴジラ」に加え、それまでのゴジラ映画にはあまりなかった「政治的な思想」が描かれており、非常に見応えがあります。ゴジラに対する一般人の視点がほとんど描かれていないのは残念ですが、その分首相を始めとする日本政府のトップ達がゴジラに対応する姿がリアルに描かれています。特にゴジラ殲滅を口実に、実験も兼ねて日本の本土で核を使おうとするアメリカ・(旧)ソ連に対する首相の説得には、当時の東西冷戦及び核への批判が読み取れますし、「非核三原則が日本のエゴイズム」というのには考えさせられてしまいます。
特撮に関しては、ゴジラの破壊シーンが少ないのは少々物足りないかもしれませんが、湾岸に集結した迎撃部隊を放射熱線で一瞬にして壊滅状態にしたり、スーパーXの一斉射撃に全く怯むことなく、逆にビルの下敷きにしてしまう等、非常にインパクトのあるシーンのおかげで、ゴジラの存在感は十分だと思います。また、スーパーXがリアルな怪獣災害映画には場違いだという意見もありますが、音楽と相まって非常に格好良いので、個人的には全く問題無いです。
ゴジラシリーズが既に終わってしまっている今、是非見直されて欲しいですね。