写真もキレイだし、後藤久美子さん自身もカリスマがあってとても美しい方だと思います。ただし、セレブな生活をしているだけで、彼女自身について過大評価されすぎ、というのが印象です。「異国で自信を持って生活している」とか、「語学を努力して習得した」「愛情をもって立派に子育てしている」=だから彼女はすごい、強い、など、ここぞとばかりに褒めたたえていますが、異国で生活するとはそういうこと。国際結婚している女性なら普通にやっていることでは?と思います。
外国生活で特に社会に貢献するような活動や仕事をするでもなく、日本の芸能界で誇れるキャリアがあるでもなく(女優業でも歌手業でも目覚ましい活躍があったわけではないですし)、ときどき雑誌やメディアでご主人にプレゼントしてもらった宝石類や暮らしぶりなどを披露するだけでここまで持ち上げられているのは、なんだか日本のメディアの社会意識の限界を示しているというか。いっそアンジェリーナジョリーレベルで世界に貢献しているような女性なら、こういった評価もうなづけますが。
定期的に雑誌で特集を組んだり、こういったプライベート本を出版することで、ミステリアスだった後藤さんのイメージが私生活を切り売りするお金持ちマダムみたいになっていくのは残念だと思いました。
また書籍としては、やはりほかの方も書かれているようにセレブな国際結婚への憧れをかき立てる綺麗な写真集という印象です。
インタビューを読む限り、後藤さん自身は芸能界への未練も野心もなく、子育てにワークアウト、ショッピングなどを中心に日々の生活を過ごしているそうですが、彼女を取り巻く周囲(本書のインタビュアーなど)がとにかく舞い上がり過ぎ、あおり過ぎという印象です。インタビュー側による「久美子ちゃんは本当に美しい」「久美子ちゃんはすごい」「久美子ちゃんは性格もいい」「久美子ちゃんは頭がいい」「久美子ちゃんは強い」などのゴクミ賞賛がオンパレードな内容で、ちょっとうんざりする感もあります。もう少し中立的な立場で読者が自然にそう思うように持って行ければよかったかも。
また後藤さんの人間的な本音や異国生活での弱音、感情を引き出すことができればより興味深かったと思いますが、そういう内容も一切ありません。まあ普通の国際結婚をされた方ではないので、一般人に比べたらそういったネガティブな体験を異国ですることもあまりなかったのかもしれませんし、彼女の場合はお金で解決できることも多かったでしょう。それゆえに「ゴクミはいろいろ乗り越えてきたから強い」のようなコメントに素直に共感できませんでした。