南北戦争、あるいは、その時代を描いた映画は「風とともに去りぬ」他沢山ありますが、私がいままでみた範囲では一番の作品だと思います。私の記憶では当時のアメリカの人口は約3000万人、北が2000万、南が1000万、3年に及ぶ戦争で死者60万人という膨大なものです。50人に1人が死ぬ。考えられない数字です。人口がいまの十分の一の時代に、同じ国が二つに別れ、血みどろの闘い。その後遺症がいまでも残っていると思われます。冒頭の戦闘シーンのリアルさも凄いのですが、そんな悲惨な戦争を女性の視点、生活の視点から描いている点がこの作品を秀作にしている。エイダ演じる二コール・キッドマンとジュード・ローの純愛物語も悪くありませんが、私はむしろ、ルビーを演じたレニー・ゼルフィガーの素晴らしい演技に拍手を送りたい。生活力に溢れた女になり切っている。アカデミー助演女優賞受賞も納得です。同様にセーラも素晴らしかった。戦争は人間を残酷にします。敗戦が決定的になった後も、義勇軍と称する脱走兵狩り、北軍の略奪、殺戮。昔、「人間の条件」というベストセラーと映画がありましたが、人間とはなにか、戦争の悲惨さ、生きるための強さを考えさせられました。