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コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)
 
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コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3) [文庫]

井筒 俊彦
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

『コーラン』各章の配列は、成立年代とはほぼ逆になっている。(下)に収められた初期(メッカ期)の啓示は、サジュウ体と呼ばれる独特の散文詩体で語られ、なまなましい緊迫感がみなぎる。強く激しいシャーマン的リズムの中に浮び上がる地獄の光景は圧倒的である。

登録情報

  • 文庫: 340ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (1958/6/25)
  • ISBN-10: 4003381335
  • ISBN-13: 978-4003381335
  • 発売日: 1958/6/25
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
初期の啓示 2009/3/7
形式:文庫
下巻はマホメットに下された初期の啓示が収録されています。上・中巻のように多くの章は散文調であります。しかし終わり頃になると短文になり、呪文のようになります。「外国語に訳された『コーラン』はすでに聖典ではなく、一個の俗書」(後記、339頁)かもしれません。それでもそこでの日本語は緊張感漂う神の言霊であるように私は感じました。それから井筒氏の素晴らしい翻訳だけでなく、「解説」も面白かったです。マホメットを社会革命的行為を成し遂げた指導者ととらえ、彼から見たイスラム教の歴史には、源流は共通であるとはいえ、ユダヤ教とキリスト教との差異を見ることができました。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 山盛
形式:文庫
 上中下3巻を同時に購入し、まず上巻にある「はしがき」と「改訳の序」と「解説」を読み、次に中巻の「解説」を読み、そして下巻の「解説」と「改訳『コーラン』後期」を読んだのだが、これだけで実に合計45ページほどを占め、ざっと計算すれば400字詰め原稿用紙87枚分となる。

 これらを読んだだけでイスラム教があらかた判った気分になり、内容が濃いのに非常に分かり易いのは著者が真実理解している証拠だとあたりを付け、井筒俊彦なる学者が何者かとウィキペディアで調べてみると、次のようにあったので合点した。

* ちなみに、語学的な才能に富んでいた井筒は、アラビア語を習い始めて一ヶ月で『コーラン』を読破したという。語学能力は天才的と称され三十数カ国語を使いこなしたとも言われる。司馬遼太郎は対談の中で井筒を評して「二十人ぐらいの天才が一人になっている」と語っている。

イスラム教についての知識が皆無に等しい私でも、確かめたかった点が二つある。一つはイスラム圏の銀行は無利子らしいが本当か、ということと、一つは暴力を肯定しているのか、ということだが、前者は上巻の68ページに「アッラーは商売はお許しになった、だが利息取りは禁じ給うた」等とあり、後者は上巻の251ページに「だが神聖月があけたなら、多神教徒は見つけ次第、殺してしまうがよい。」とあることが判った。

しかし、著者は下巻の解説で注意を呼び掛けている。
P.338 「学者は一字一句の解釈に自己の生死を賭した。(略)。一つの重要な文章がただ一つの解釈しか容れないことを万人が異議なく認めるという場合はむしろ稀で、大抵の語句については幾つかの違った解釈──しかも屡々あい矛盾する解釈──が提出されている。同一の語句が五通り六通りに解されることはざらであり、そのいずれに依るかによって訳もまた全然違ったものになる。」
P.339 「『コーラン』はアラビア語の原文でこそ聖典である。外国語に訳された『コーラン』はすでに聖典ではなく、一個の俗書であり、原文の一種の極めて初歩的な註釈であるにすぎない。」

マジッド・テヘラニアン氏は、「イスラムで武力に訴える行為は自衛の場合にのみ許される」と言っているが。
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By ペルシャ猫 トップ500レビュアー
形式:文庫
ここでは、訳の良し悪しを述べようとは思わない。これだけの注釈と手頃な文庫サイズでコーラン全文を現代日本語で読めるものは他に無いと思う。
井筒先生が真摯な研究者であったことを否定する人はいないであろう。

したがって、ここではコーランを読むことにどんな意味があるかについてだけ、書く事にする。

一般的に世界の三大一神教はユダヤ教とキリスト教が「聖書」(ユダヤ教は旧約部分のみ)、イスラム教が「コーラン」を聖典としている啓示宗教であることは知られている。

この中で、自分達の聖典に、神の言葉が文字通りの意味で、そのまま書かれたと皆が主張するのはイスラム教のみである。

「聖書」の内容は矛盾が多く見られるし、著者も作成年代もバラバラな諸本の集成である以上、ユダヤ教、キリスト教がこれを神の言葉がそのまま書かれていると考えないのは当然であろう。
それに対して、「コーラン」はムハンマドという一人の預言者によって神の言葉が直接伝えられ、それを書き記したものとされている。

問題は、この考えを無条件に受け入れて、「聖書」は矛盾していて分かりにくいが、「コーラン」は首尾一貫していて、矛盾がないかのように語る日本人のインテリが割りと多く見られることである。

一度でもこの本を最初から最後まで読んだことがある人ならば、「コーラン」の中に矛盾が発生していることに気付かない訳が無い。

礼拝の方向をエルサレムからメッカに変えたり、キリスト教に好意的だったかと思えば否定的になったりと、首尾一貫していない部分があちらこちらに見られる。

唯一無二の全知全能神がいるのに何故「聖書」に矛盾があるのかについて疑問に思えるだけの知能があるなら、この「コーラン」を読んで、その唯一無二の全知全能神が直接神が語っているはずの「コーラン」が何故首尾一貫した姿勢を取れないのか疑問に感じないはずがないのである。

聖典の矛盾は、啓示宗教としての全知全能の唯一神を掲げる一神教が抱える、構造的な問題である。
このような議論を真面目にしたいのであれば、聖典に関する基礎知識くらいはちゃんと持って貰いたい。

その意味で、この本はイスラムを語りたい人には必読の本と言える。
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