根拠のない俗説や迷信がまかり通る日本のコーヒー業界にあって、川島良彰氏は特にコーヒーの農業的側面における学問的背景と実際的経験を備えた貴重な存在である。
「コーヒーハンター」は川島氏の半生を描いた自伝としても、ブルボン・ポワントゥの復活を描いた物語としても読めるが、品種や精選方法など、コーヒーに関する基礎知識も本書の随所にちりばめられており、これまでにない良質なコーヒー入門書にもなっている。
著者が川島氏だけに私もそうした知識面に期待して読み始めた。その期待は十分に満たされたが、同時に、ブルボン・ポワントゥ復活に携わった人たちの情熱と誠意にも触れることができ、大いに感動した。
ブルボン・ポワントゥに続く第二、第三の「スーパープレミアム」コーヒーの発掘と並行して、川島氏には継続的な執筆活動にも期待したい。同氏ならではの正確な知識と豊かな経験をぜひコーヒー業界に広く還元していってほしいと思う。
なお、登場人物の一覧や用語の索引があると、本書はもっと読みやすく、リファレンスとしての使い勝手も上がったと思う。こうした点の改善も次回以降に期待したい。