ロンドンのシティの株式証券取引所も、ニューヨークのウオール街の株式証券取引所も、コーヒーハウスに集まってきた人達によって誕生した事実などが興味深い。
何故、株式取引の場所が昔からあった酒場ではなくコーヒーハウスでなければならなかったのか?
コーヒーハウスでは、コーヒーを飲んで覚醒した状態で商談も取引も出来るが、酒場では酔いが邪魔してトラブルが起きる心配があったからである。
饒舌なくらいにコーヒーにまつわるエピソードが多く書かれているから、読みすすむのに多少難儀をしたのだが、コヒーを軸にして、ヨーロッパ近代史を勉強できてしまうほどの書であった。
ナポレオンがウォータールーの戦いに敗れた後、セントへレナ島に流刑されてからの暮らしぶりなどにも触れながら、ナポレオンがコーヒーの木を植えたりした逸話なども書かれていて面白い。
ヨーロッパ列強国の植民地開拓史の中心にコーヒーが、このように大きく存在した事実を知って興味津々で読み終わった。
多国籍企業などによって利益のほとんどを収奪され、毎日過酷な労働を強いられながらコーヒー農園で働く人達が、いまだに奴隷のごとき生活をしている事実を知ったら、これから毎日飲む一杯のコヒーも、”良く味わって飲むべし”、と肝に命じてしまった。