高校の世界史教材に資料として使える歴史書です。
たとえば、次ようなクイズで学生を刺激するのはどうでしょう。
コーヒーの原産地は?
コーヒーの語源となったアラビア語の「カフワ」はどんな意味だったか?
イスラーム世界にコーヒーが流行した理由は?
西欧で最初にコーヒー栽培(プランテーション)を推進した国は?
啓蒙思想とコーヒーの関係は?
マルクスが指摘する、ドイツの対ナポレオン戦争の原因は?
ブラジルにコーヒー生産州と都市を結ぶ鉄道を敷いた国は?
アメリカ西部開拓者のコーヒーの飲み方は?
コーヒー農園の労働力不足のために、日本から移民が1908-41年までに約18万9000人も渡った国は?
第一次世界大戦におけるコーヒーと対独戦争の関係は?
「コーヒーブレイク」を流行らせるために業者がとった手段は?
世界恐慌とコーヒー豆の運命は?
コーヒーを否定したムッソリーニに対するアメリカの対抗策は?
これらの解答はすべて本書にあります。著者は本の意図を、生産者、精製業者、金融業者、貿易業者、賠煎業者、広告業者、小売業者、販売業、消費者などの有機的なつながり、と説明しています。コーヒーが私たちの口に入るまでの実に複雑な過程について科学・植物・経済・国際政治・情報戦略の諸側面から解き明かしてくれます。コーヒーノキからはじめ収穫から精製過程(乾燥式・水洗式)、焙煎、販売ルート、宣伝、全米コーヒー賠煎業者協会やスターバックスなど詳細にわたっています。諸々あるコーヒー書の中で白眉といっていいものが現れました。