日ごろ私たちが口にしたり身にまとう一次産品は、いったいどこからどのようにして私たちのもとへ届けられるのだろうか。ラジオ・フランス・インターナショナルの番組で著者が行った調査・取材に基づいて書かれた本書は、上記の疑問に十二分に答えてくれる。
本書が訴えているのは、グローバル経済、すなわち世界的な民営化・規制緩和によって、一次産品の流通は地球規模で増加し、かつ競争も激しくなっているということ。それゆえ利益を最優先する多国籍企業による値引き圧力、アメリカ・EUが拠出する補助金、生産国同士の仁義なき競争等に起因する生産者価格の低迷、さらにアメリカの年金ファンド等の投機マネーが、先物市場に流入することによって市場価格を乱高下させて、アフリカ・中南米・アジアの一次産品生産者の生活を脅かし、彼らを貧困に陥れているということだ。著者はコーヒー・カカオ・米・綿花・胡椒という代表的な一次産品5品目に対しそれぞれひとつの章を設け、また実際に取材した多くの個人名を挙げて、かなり具体的に一次産品の生産・流通の全体像を描き出すことに成功している。