著者は、本書の位置づけを次のように定義されています。
・コーチングは、人材開発を目的とした手法である。
・その手法は、現在進行形で開発中であり、日々進化している。
・本書はその基本となる手法と考え方を網羅した。
本書は全部で36個の項目を3つに分類して解説しています。
・コーチングの基本(13項目)
・コーチングの実践(12項目)
・コーチングの応用(11項目) 計36項目
各項目は大体3頁程度で、コンパクトにまとまっています。
著者が「網羅した」と仰る通り、基本的な内容の網羅感はあります。
本書は、コーチングの入門書です。
コーチングに興味を持ち始めたばかりの方が、対象であると思います。
ただ、タイトルが「教科書」であるように、内容はよくまとまっています。
すぐに読めるので、知識や情報を整理する目的で手元に置いておいても良いと思います。
最近は、ビジネス雑誌で組織単位でのコーチングの効果が特集されることもあります。
本書、第33章の「コーチングカルチャーを築く」は、更に必要となる要素であると思います。
今後は、組織にコーチングを根付かせるということが経営者の課題の1つになるかもしれません。
そのためには、まずマネジメント層がコーチングを身に付ける必要があります。
そのマネジメント層こそが、現代の企業組織においては課題であると思います。
第34章の「組織が老化したときは」が該当しますが、リーダー自身が最初に変化が必要であると
いうことを、マネジメント層は改めて認識し、変革に向けて行動する必要があります。
本書には、他にもコーチングスキルのチェックリストがあったり、
コーチを選ぶ基準に言及していたり、著者が「網羅した」と仰る通り、
幅広く色々な要素を取り上げています。
発売当初、伊藤氏が(もしくは伊藤氏名で)、今、なぜこのような入門書を出す必要があるのか?
という点について疑問を抱きました。出版社がコーチング関連書籍のラインナップが
欲しかったからという事情かもしれません。
だからこそ、あまり期待せずに手にとっただけに、良い意味で期待を裏切られました。
そこは、さすが伊藤氏であると感じさせて頂きました。