ストーリーは、父親の後継として急遽、負債500億を抱える会社の経営者となった元銀行マンが、会社再建に向けて数々の試練を乗り越え、リーダーとして成長していくというもの。主人公は壁にぶつかるたびに、リーダーがとるべき行動や心構えについてのコーチングを著者に仰いでおり、その様子も随時、紹介している。
決意を固め、リーダーシップの型を選び、社員一人ひとりの当事者意識を高め、抵抗勢力と闘い…という主人公の一連の取り組みは、変革のリーダーシップのモデルとして非常に参考になる。とくに「安心感で社員を動かす」「政治を起こさずに一対一で向かい合う」「まっすぐに謝罪する」などの手法を、具体的な行動として見せてくれる点は注目である。
また、コーチングのなかで著者が、「軸」を持つこと、「決断から逃げない」ことなど、精神論に終始しがちなリーダーシップのスキルをわかりやすく理論づけている点も必見である。人が動かないと悩むリーダーは、自らのスキルを省みるヒントになるはずだ。
ストーリーでは最終的に、主人公が身につけたコーチとしてのコミュニケーションスタイルが社員一人ひとりに伝播することで意識改革が成し遂げられている。著者による1対1のコーチングだけでなく、この企業変革の手法としてのコーチングを描いているところが興味深い。(棚上 勉)
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さすがはコーチングの会社経営者が著者なだけあって、読んだら、誰もがコーチを雇いたくなる魅力に溢れています。本書の事例は最高の成功例なのかもしれませんが、どんなコーチを雇うにせよ、実行する本人に求められる決断の「覚悟」が変わるわけでは無いという痛烈な念押しを感じ、大きな好感と、ほんの少しの責任回避を感じました。
「あなたは本当に何がしたいですか?」
この問いかけは私自身も深く自分に問い続けたいです。何気ない問いかけですが、本書を読むととても味わい深いものになります。「なにかをするんだ」という決断、、その覚悟の質の違いがどれだけ大切なのかが、しっかりと心にしみこんできました。
読後に、温かい励ましと共に、力がもりもり沸いてくるのを感じました。
この本を読んだ週末、自分は仕事をするうえでどうしたいのか、真剣に考えてみました。まだ、はっきりとわかったわけではありませんが、それが見えてくれば、意思決定や周囲への接し方で迷うことが少なくなるような気がしています。
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