落合というと、とかく個人主義的なイメージばかりが強調されがちだが、実は現役時代の落合は、投手がピンチに陥ればすかさずアドバイスをしにマウンドに駆け寄ったり、同じチームの打者がスランプに陥っていれば相談に乗ったりと、コーチあるいは兄貴分としても重要な働きをしていた。結果、「落合効果」という言葉が生まれたほどだ。
本書では、その落合の名コーチとしての側面を垣間見ることができる。あくまで個を伸ばすことに主眼を置き、裏方に徹する姿勢や、短所を指摘するのではなく長所を伸ばすことに注力する方針、手取り足取りのやり方を否定し、選手の自助努力を促す姿勢などにマネジャーが学ぶことは多いだろう。また、個人が組織の中でいかにして付加価値を高め、能力を発揮していくべきかという点にも言及している。チームを何度も優勝に導き、自らも2年連続三冠王をはじめとする偉業を成し遂げた落合だけに、その言葉には説得力がある。
成果主義、雇用流動化の時代には、これまでのようなトップダウン式の教育・指導方法は通用しない。本書は、現在注目を集めるコーチングの基本を説いた本として、また上司と部下双方の視点を示した本として、意義のある1冊である。(土井英司)
登録情報
|
バッティング練習に入るのかが恒例の話題になっていましたが、
これは目や体が140キロのストレートに慣れないうちに打席に
立つのは自殺行為と考えていたからです。マシンで慣らす事で、
自分のバッティングフォームが崩れるのを未然に防止していた訳です。
面白かったのは、ホームランをいかに増やすかというテーマに
取り組んだ時の話。ファウルになる打球をホームランにできないかと
考えたそうです。その解決法は読んでからのお楽しみ。
Jリーグを引き合いにした企業とスポーツのあり方に関する記述には
疑問もありますが、充実したコーチングの内容も考えると読み物として
悪くありません。プロ野球という特殊な業界で生活してきたにも
かかわらず、その意見や考え方には普遍性・合理性が詰まっています。
シーズン前に読みましたが、今年の成績と合わせ技で星5つです。
|
|
|