翻訳者が解説でいっているとおり、この本の重要性は埋もれている気がする。1979年に「自由の奪回」という表題で出版されていたらしいのだが、翻訳があまりにひどいために新たに翻訳しなおしての再出版したということらしい。1973年に本書が書かれたということだが、現代の日本の問題鋭く予測しているような気がする。まさに、今後読まれるべき本として意味を持ちえてくるのではないだろうか。p119「人々は使用価値を生み出す力を自分自身の時間に付与する能力を奪われ、賃金のために働き、自分の稼ぎを産業的に限定された賃貸空間と交換するように強いられる。」つまり、現在の私たちの生活空間には目の前の風景は他者の所有物であり、子供たちが遊べる公園も意図的に仕切られた空間である。疲れて、道路に座ればそれはその使用において誤っているとみなされ、非難の目を浴びる。自然の山の中ではあたりまえのことなのに、その人間の自由な行動に焦点をあてた発想からくる学習の機会が奪われているのではないかと。