まずはじめに、日本語ライナーに対する苦情から。
今回の「ニューノート・クラシック・シリーズ」のライナーは、MUROという人と二木崇という人の対談形式で書かれているが、自家撞着、一人(二人?)よがりの無駄な発話部分が多く、読んでいてイライラする。一枚二枚ではなく、今回手にしたアルバム、すべてその調子だった。
あんまり頭にきたので、その都度他のタイトルでもそのことを末尾で訴えていた。
ところが、第3回発売の本盤のライナーでは冒頭、「一切のおふざけが許されません!」と自ら宣言しているので、レコード会社の担当者からお灸を据えられたかな、と期待して読んでみたが、相変わらずの調子である。
ただ単におふざけが過ぎる、内容がトッチラカッテいる、だけではなく、このお二人、実は、ジャズに対して中級レベルの基礎知識もお持ちでないのではないか?
たとえば、デイヴ・リーブマンを「マイルス・デイヴィスのグループで名を揚げた人物」とし、スティーヴ・グロスマンを「この後にマイルスから声がかかる」と紹介している。
どうかしてるんじゃないの?
スティーヴが先にマイルスのグループに加わり名を揚げたのであって、デイヴはこの吹き込み(72/9/9)の翌年になってからマイスル乃グループに参加したんだよ。順番が逆。だいたい、ブルーノートのCDのライナーを担当するくらいのライターなら、マイルスの75年までのレギュラー・メンバーの変遷を、ソラで言える様でなきゃモグリだよ!
マイルスとエルヴィン・ジョーンズは旧知の間柄だったから、むしろこの時期のエルヴィンの元での活躍を耳にして、マイルスは自分のバンドにデイヴを引き入れたんじゃないかな?
それから、本作と直接関係ないリチャード・デイヴィス、ブレイキー、チック・コリア(わざわざ「天才ピアニスト」と断りを入れている、どういう意図があるのかな?)などなどの名前を次々と出すくせに、肝心の本作参加メンバー、スティーヴ・グロスマンとジーン・パーラが、このあと、「ストーン・アライアンス」という素晴らしいグループを結成する(ドラマーが誰だかこのお二人はわかってるのかな?敢えて書かないよ)ことには一切触れていない。
また、本盤は「コンプリート」だが、いったい、オリジナルLPとどこが違うのか、それにも一切言及していない。
とにかく、欠陥だらけの内容だ! 僕のほうがもっとマトモなライナー書けるヨ!!
....肝心の音楽だが、ピアノレス、ダブル・サックスによるカルテットというちょっと珍しい編成で、かなりヘヴィーな演奏が続く。コンプリートになった分、CD2枚丸々で153分もこういった音楽を聴かされるとさすがにちょっと胃にもたれます。
ドナルド・バードの「ファンシー・フリー」もLP片面を費やして演奏しているが、ギターもエレピもないアプローチは、ちょっと...
エルヴィン・ジョーンズの生真面目さ・無骨さが、ウラメに出てしまったような感じ。...とはいえ、4☆はつけます。
スティーブとジーン・パーラが後に結成する(先に触れた)「ストーン・アライアンス」は、同じようにピアノレス(ジーン・パーラが時々キーボードを弾くが)という編成でしかも似たような暑苦しい音楽を演奏しながら、もっと間口が広く聴きやすかったのは、エレピ、エレベーの導入もさることながら、ある意味、ここでの反省がプラスになって、ブラジル/サンバ・テイストなどを導入したせいなのかもしれない。
興味のある方は、国内でほぼすべてが入手できるので、是非そちらも聞いてみてください。