原書の「Compute Music Tutorial」(MIT Press)が、邦訳されると聞いて、その発刊を待ちわびていたが、この本はその期待を裏切らなかった。よくぞこの仕事を成し遂げていただいたと、訳者の方々には感謝の意でいっぱいである。コンピュータ音楽についての基礎知識から現在のことまでを全て網羅されており、チュートリアルというより辞書に近い趣もある。コンピュータ音楽作成の実際の場面では直接必要のない箇所(章)も幾つかあるだろうが、それらは決して無駄な記述ではない。逆にバックボーンが増えることにより、創造的な行為に膨らみを持たせることが出来るはずだ。従って学生のみならず有用な本と言える。原書出版から年月が経っており、情報の新鮮さという点では劣るかも知れないが、その事を差し引いてもこの和訳の発刊は偉業と言える。