クラフトワークの代表作を選ぶ場合、リアルタイムで彼らを聞いていた音楽評論家などは、何故か「人間解体」あるいは「ヨーロッパ特急」を選ぶことが多く、ロック名盤ガイドといった書籍でも本作が紹介されていることは少ない。なかにはアルバムのモチーフとしてアナログ的なものをコンピューターで再現するということに彼らの機械文明に対するアイロニーが込められているのに、本作ではまんまコンピューターをモチーフにして能天気にテクノロジー賛歌をしてしまっており批判性がないとかいった大バカな解説をしているアホな評論家さえいる始末。逆にクラブ系のアーティスト達からは本作をクラフトワークの最高傑作に挙げるものが圧倒的である。現在の観点で聞けば当然本作が彼らの最高傑作であることは明らか。本作は多くのレビュアーのコメントにあるように、リズムトラックが非常に複雑に組み立てられており、音色も今のクラブシーンでも十分通用する先鋭的なもの。前作までがプログレッシブロックの発展系エレクトロニックミュージックとして捉えることがまだできたが、本作は完全に今の感覚のテクノ。当時の感性の古い評論家達が本作をリリース時に評価できなかったのもなんとなく納得できる。いかに音楽評論家とかいった連中が信用おけないか、本作のリリース時の不評から如実に分かるだろう。