情報教育やコンピュータサイエンスというとどうしてもコンピュータを使わないと教育ができないと思われがちである。一部の先進的な取り組みではコンピュータを使わない情報教育などが取り上げられたりもするが、授業の組み立てには情報科学への深い見識が必要であり、そこまでのレベルに達していない授業者ではコンピュータの使い方学習しかできないのが現状であろう。
本書は題名そのまま、コンピュータを使わずに情報教育を行おうという試みである。その内容は二進数、アルゴリズム、コンピュータ言語など、情報教育の基礎的な内容をほぼ網羅している。そしてテーマごとにゲーム的要素を含んだ取り組みを紹介している。「小学生にもわかる」というくらいなので学習内容としては簡単であるが、情報教育の導入としては全く問題のないレベルである。そこにとどまらず、さらに高度な内容に取り組みたい時にはさらに発展させやすいように工夫されている。
また、コンピュータを使うとコンピュータという機械に幻惑され、それ以上学習が進まないことも多いが、この本に紹介されている取り組みを活用すれば、コンピュータでなく、情報に焦点を当てた授業を行うことがより容易になると感じた。
翻訳書であるため、文章が硬く読み解きにくいと感じる部分が間々見られたのが残念である。そのあたりが星を減らした理由。