何か不思議な物質でもまぶしてあるのか、それとも魔法がかけてあるのか。
この設定、この表紙だけだと、ほのぼのしている感じしかないのに、なんでこんなに泣けちゃうんだろう。
あとがきを読むまでもなく、この文章は大事なものを失ったことのある人が書いている。
失うという現実が、厳然としてそこにあり、自然に反する事態は起きない。
でも、残された人は信じたい。きっとどこかで繋がっているのだと。きっとどこかで巡りあうのだと。
誰も確かめようもないけれど、祈りを込めて願っている。その思いを知っている人しか、こんな文章は書けない。
だから、「さよなら」の場数を踏んでいる大人のほうが泣けるのではないかという解説にも頷く。
失っても、喪っても、消えてしまわない、何かのために。言いそびれた「さよなら」の代わりに、読んでみたらいい。