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コンニャク屋漂流記
 
 

コンニャク屋漂流記 [単行本]

星野 博美
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

返還時の香港に密着した骨太なルポルタージュや、ネコと暮らす日常を淡々と描いたエッセイなど、独特な作風が支持されている星野さん。最新作は、「コンニャク屋」と呼ばれる漁師だった自身の一族の歴史がテーマです。祖父が残した手記を手がかりに、五反田から千葉・御宿、そして和歌山へ、ルーツ探しの珍道中が始まります。笑いと涙のなかに、家族や血族の意味を静かに問い直す作品です。

内容(「BOOK」データベースより)

先祖は江戸時代、紀州から房総半島へ渡った漁師、屋号はなぜか「コンニャク屋」。東京・五反田から房総半島、そして和歌山へ―ルーツを探して右往左往、時空を超える珍道中。

登録情報

  • 単行本: 397ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/7/20)
  • ISBN-10: 4163742603
  • ISBN-13: 978-4163742601
  • 発売日: 2011/7/20
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
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これは面白い!
たまたま目にした『R25』のブックレビューで本書を知った。
「コンニャク屋」というのは単に著者の先祖の屋号であって、蒟蒻の話は殆ど出てこない。
星野氏は漁師の末裔であり、したがって、壮大な海が物語の鍵となる。

本書は、大好きな祖父が晩年に書き残した手記をもとに、著者が自分のルーツを探っていった記録である。
祖父の代から東京に移り住むようになり、星野氏は町工場の娘となったが、
元々は、千葉は御宿の漁師家系であった。
そして、調べを進めていくうち、その祖先は紀伊方面に求められることが判明していく。

どうして、祖父は東京に来なければならなかったのか?
御宿とはどういう場所だったのか?祖父の東京時代は?
祖先はどうして、和歌山からわざわざ千葉へやってきたのか?
その疑問に対する温かな想像を確かなものにすべく、著者は漂流する。

一番面白かったのは、著者が墓石の記録をもとに和歌山は加太に降り立つ場面だ。
何のたよりもなく訪れた地であったが、さっそく嬉しい出会いが連続する。
著者とその調査に付き合ってきた読者は、その興奮を共有できるけれども、
何も知らない地元民はきょとんしたことだろう。
その温度差が想像できて、思わず吹き出してしまった。

著者の親族は個性豊かな人々ばかりである。
それにまた、著者自身の豊かな感受性が手伝って、本書を魅力的な作品に仕上げていると思う。
親族同士の会話描写もいい。
「じいさんは悲しまない。前に進もうとする息子に、いつも賛成してくれた」(158ページ)に感動。
スッと感情移入できたので、ヨソのお宅のルーツ探しであるにもかかわらず、
最後までワクワクしながらお付き合いする事ができた。
昔の海の民がエンヤコラセッセと舟を漕ぐ情景が目に浮かぶ。
こんな感覚で読める本は久しぶりだ。

私は千葉県出身で、御宿にも行った事があるけれど、
本書を読んでから再び同地で太平洋を眺めたら、全く違う景色が見られるだろうと思った。

尚、このような大海を舞台とした読み物を好む方には、
奥野修司『ナツコ:沖縄密貿易の女王』をお薦めしたい。
とても読み応えのあるノンフィクション作品である。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
東京の町工場の娘だが、自分の中には漁師の血が流れていると思う著者が、
そのルーツを探る。
まず第一のルーツは、千葉の岩和田にあった。
著者の本家の屋号は「コンニャク屋」
なぜ「コンニャク屋」なのかは前半の引っ張りなので、ぜひ呼んでご確認を。
それは漁師の生活の不安定さに根ざしていたのだが……

ルーツ探しはさらに紀州まで伸びてゆく。

著者の家族や近所の人がみな温かい。
その病者がこのノンフィクションを最後まで読ませる原動力である。
ただし、若干苦言を。前半、作家のサービス精神なのだろうが、笑いをとろうとして
事実を改変したのではないかという点が見られる。
これは、しらけます。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
有名な話だよ 2012/2/25
By 凱晴 トップ1000レビュアー
千葉県の歴史には興味があるので手にしてみた。特に、房総の漁師の歴史は一つの文化の歴史といっても過言ではなく、コンニャク屋という変わった屋号の謎解きも相俟って興味は高まるばかりだ。

そもそも、自分のルーツを調べること、縁者の話を聞いて関連する書籍を調べて、実際に足を使って人の話を聴いてみる。もっとも贅沢な時間の使い方の一つだ。

そんな贅沢さを感じることができるのだが、房総の漁業が紀伊地方から伝わってきたのは、結構有名な話だ。P248ページにもなって、「それほど有名な話だったのか!拍子抜けする」と書かれるのは読んでいる方が拍子抜けする。

紀伊地方への先祖さがしの旅とそれをもとにした推論は非常に興味深いので、「有名な話」にたどり着くまでの前半が残念。
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