前作「コンテンツマーケティング」が総論的なアプローチだとすると本作は、かなり「物語論」としての進化と深化を遂げた各論編としての位置づけであろう。
そもそも「大量生産を前提としたコンシューマプロダクト(消費財)を、不特定多数に、いかに効率的に売りさばくか」を大命題とした「マーケティング」と「経済交換に先立つ、あるいは経済交換と同時に発生する『無償の贈与』」ともいえる「(ブランド)コンテンツ」の両立はかなりハードルが高く、さらには「企業と消費者の共同幻想」たる「ブランド」という問題も立ちはだかり、なかなかケーススタディからも「これが正解!」というほどの事例を発掘出来にくいのも事実。
あえて「コンテンツ」を「情報」「知識」「娯楽」「物語」「作品」「虚構」に類型化し、「物語化」を解説する本書はかなりわかりやすい上に、内容も深い。
欲を言えばもう少し「ブランド」の定義をしっかりして、どうして「コンテンツ」を「ブランド」化しなくてはいけないのか、という必然性を「ブランド・マーケティング」の側面から補足して欲しかった。
また「テレビ番組を見逃した視聴者向けキャッチアップ放送」は「NHKアーカイブス」ではなく「NHKオンデマンド」であり、厳密には「放送」ではなく「(通信領域の)配信」となることを、僭越ながら指摘させていただく。