カール・セーガンのSF作品をロバート・ゼメキスが映画化した1997年の作品。VHS、DVDとメディアが変わる度に鑑賞してしまっているが、BDでもやはりまた感動してしまった。実に味わい深い良作である。
内容に関してはもう述べるまでもないだろう。
科学と信仰という相反するかのようで実は補間し合い、平行線を描くかのようでどこかで交差する両概念が慎重に物語を牽引している。難しいテーマであり、ともすると硬くなり過ぎると思われる素材であるが、SF作品という姿を借りて上手く表現したと思う。ゼメキスにしては難解なテーマに取り組んでいると思われるが、丁寧に作りこんで作品を作るという意味では彼らしい作品であり、奥深さも含め、ある意味、彼のベスト・バウトともいえるのではないだろうか。
特に今回、アロウェイ博士の幼児期が伏線として実に効果的に作用しているということを改めて認識した。非常に丁寧に作りこまれている。製作陣及びキャストの映画に対する真摯な姿勢が十分に伝わってくる。
音声解説も面白い。特にジョディの解説は興味深く、如何に彼女が深い思慮に基づいて演技をしているかを再認識させられる。普段は音声解説など飛ばし飛ばし視聴するだけなのだが、今回はじっくりと堪能してしまった。
当時はジョディ以外はあまり認識していなかったが、キャストは今考えると(笑)豪華である。
パーマー役のマシュー・マコノヒーはその後ピープル誌「最もセクシーな男性」に選ばれるとは思えない程の地味さで準主役を上手に演じている。父親役のデヴィッド・モースが要所をしっかりと押さえ、名脇役トム・スケリット、ジェームズ・ウッズが嫌な役を実に自然に嫌味にこなす。プリズン・ブレイクのマホーンことウィリアム・フィクトナーも信頼のおける分析官として登場し、場面を作るのに貢献している。もちろんジョディはアロウェイ博士として生まれてきたかのような錯覚を起こす程の適役かつ名演技である。全ての場面においてどうでも良いような演技が微塵もなく、撮影時の程よい緊張感が伝わってくるのだ。
映像コーデックはVC-1。平均して20Mbps程度のビットレートなので、HD映像としてはとても情報量が多いとは言えないし、確かにHDとしては全体的に精細度は欠くかもしれない。だがオープニングや宇宙体験の場面の美しさを認識するには十分だろう。美しいとは思っていたが、BDになって初めて映像に引き込まれる体験をしてしまった。PQ 3.5/5。
音声コーデックはDolby TrueHD 5.1ch。しっかりと抑揚のあるサウンド。特に宇宙からの通信音に迫力を感じる。悪くない仕上がりだ。SQ 3.5/5。
13年前の映画なので、もう少し上質なものを期待していたが、映像、音声ともにまずまずの出来ではある。特にDVDとの違いは明確といえるので、作品が好きならBDの購入を検討する価値はあるだろう。