舞台は東南アジア。フイリピン、ブルネイ、マレーシア近辺に設定の架空の島国テオマバルの一島バヤンである。観光でここのリゾート・ホテルに来た、真央子、祝子、ありさの女性三人組が内乱に捲き込まれる話だ。
「インコは戻ってきたか」は東西に分断されたキプロス島で、やはり紛争に捲き込まれるのだが、あれは現実の国で対立は現在進行のもの。これは架空の違いはあるが、同じく異文化接触地点(コンタクト・ゾーン)とて、より一層民族の争いに力点が置かれている。
最初は典型的な日本の若い女性の、浮かれた観光旅行で、顰蹙の思いで見ている訳だが、サバイバル生活や、無秩序な反乱軍同士の争いの中で、見違えるように逞しくなってゆく彼女達。
辿り着いた地元民の段々畑(棚田)の村。東南アジア各国に結構多い棚田の大変な作業だが、必要なだけ収穫していたのんびりした生活が、太平洋戦争時侵入した日本軍により、多毛作を強制され、それが売るほどの豊かさになったとは皮肉だ。彼女たちがこの村で農作業などで変わり、それぞれの役割を見つけていく。
この村を統べる長老や村長達の、武器無き故の無法者たちとの対峙で、いろいろ考えた末の決断による行動は見事で、最後は村を守るための壮烈な事態となるが、感動を誘う場面だ。かつての沖縄では、中国と日本の狭間で、武器なき国の琉球の高官達の抵抗が書かれた、大城立裕著「小説 琉球処分」を想い起こした