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著者はインターネット上で6万人の読者を持つコラムニストだ(2000年現在)。その独自の視点と圧倒的な文章に魅了された読者も多いことだろう。初小説となるこの作品もまた、彼女の深遠な世界を描き出したものである。
金融雑誌の編集ライター、朝倉ユキ。彼女の兄が死んだ。2か月前から行方不明だった兄は、引きこもり、衰弱死して行ったのだ。見つかったのは無惨にも腐敗した死体。部屋に残された、コンセントに繋がれた掃除機だけが死とは裏腹な印象を残していた。兄の死とコンセント、この2つの事象が、ユキを生の追求へと駆り立てる。
死んだはずの兄の姿はたびたび彼女の前に現われる。幻覚なのか現実なのか。兄は何を言わんとしているのか。その答えを見つけるべく、過去に関係のあった大学教授、国貞にカウンセリングを求めるが、心理学という学問が出す答えに疑問を抱き、オカルト的ともいえる観点にリアリティーを見いだしていく。それは、彼女の狂気を意味するのだろうか。そして、ユキがたどり着いた答えとは…。
人の死に直面した時、どのように自己の生の中に解決を求めるのか。心理学を学びその方面にも造詣の深い著者が、人々の生と死を深く見つめそれを官能的に昇華させていく。ある意味、現在の心理学に疑問を投げかけ、生と死の境界を非現実的な観点から現実へとみごとなまでに取り込んだこの作品は、「狂気」に新たな理解を吹き込み、その可能性を指し示した、未来へのメッセージとも言えよう。(江口朝美)
出版社/著者からの内容紹介
ある日、アパートの一室で腐乱死体となって発見された兄の死臭を嗅いで以来、朝倉ユキは死臭を嗅ぎ分けられるようになった。兄はなぜ引きこもり、生きることをやめたのか。彗星のごとく出現し、各界に衝撃を与えた小説デビュー作。2000年6月に単行本で刊行、ついに文庫化。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
兄が死んだ。兄は二カ月前から行方不明になっていた。こうなる気がしていた。もしかしたら兄はゆうべラブホテルの天井にぽわんと浮かんで私のセックスを見ていたのかもしれない。
内容(「MARC」データベースより)
「兄が死んだ。兄は2カ月前から行方不明になっていた。こうなる気がしていた」。兄はなぜ引きこもり、生きることをやめたのか? 一人の人間の死が生んだ多くの謎を、残された人間は一生かけて解いていかなければならない…。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田口 ランディ
東京生れ。作家・エッセイスト。人間の心の問題をテーマに幅広く執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
東京生れ。作家・エッセイスト。人間の心の問題をテーマに幅広く執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。