キアヌ・リーブスは、やはり、なにか特別なものを持っているのではないだろうか。
演技を離れたときの彼は、およそカリスマ性とは縁遠い存在らしく、
さえない振る舞いをよくパパラッチされている。
映画に関するインタビュー中にぼぉーとしていて、
同席していた共演者にさとされ、われにかえったり、なんてことも、
記憶に残っている。
そんな、普段はダメダメ(?)なキアヌだが、
この映画の中では、何かが憑いているかのような迫力だ。
悪魔払い役が、何かが憑いてるというのもヘンな表現だが、
緊迫した、オーバーアクション気味の立ち居振舞いがハマる。
ゴシックホラー的な怪しいアイテムを携えての悪魔との攻防。
片時もはなさないタバコとジッポのあつかい。
――床の血だまりでタバコの火をもみ消すところとか実にカッコよかった。
「地獄」の映像化もグロテスクでよい。
顔が半壊したザコ悪魔がうようよしていて、
ハイエナのようにまとわりついてきてゾッとする。
個人的な収穫のひとつは
天使ガブリエル役の女優ティルダ・スィントン。
端整な顔立ちで、パッチリとした黒い瞳なのだが
どことなくまなざしが無機的で、この役によくハマっている。
調べてみると―――「ナルニア国物語第一章 ライオンと魔女」の
白の女王役に抜擢されていたのですね。
ダークなこの作品の世界観にノれるかノれないか。
人によって好き嫌いは大きく分かれると思う。
キアヌが気に入らない人には、
彼の大仰な動作も、こっけいにしかうつらないかもしれない。
しかし自分とっては何度も観てみたい映画だった。