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コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)
 
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コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫) [文庫]

塩野 七生
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (35件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた―。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

塩野 七生
1937年7月7日、東京生れ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。’68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。’82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。’83年、菊池寛賞。’93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。’99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。’07年、文化功労者に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 291ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1991/04)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101181039
  • ISBN-13: 978-4101181035
  • 発売日: 1991/04
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (35件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By unauna
形式:文庫
塩野作品の中でも「初期作」というべき物語。
私が高校生のとき“塩野七生”という素晴らしい書き手に出会い、
大学期に「西洋史を専攻しよう」と決意させてくれた、感動作。

よい点その1:「歴史は数々の人間たちの手によって作られていく」という視点。
この作品も、ビザンツとオスマン=トルコ、それぞれの“立場”を生きる人間たち
〜国王、一家臣、聖職者、商人など〜の複数視点から、
コンスタンティノープルの陥落が詳細に見つめられています。
あるSF小説に「真実は複数あるんだろうな」という台詞がでてきますが、
そのとおり“コンスタンティノープルの真実”はひとつではありません。
戦争を引き起こす者の真実、それに加わった王や臣下、
騎士・商人・庶民としての真実が克明に浮かび上がり、
本質的な歴史のダイナミズムが伝わってきます。
 
その2:決して感情的にならず、つねに冷徹かつ、
客観的な文体で描かれているところ。
非常にシリアスで、べたな起承転結や情感を一切廃した著者の文体は、
青年帝王マホメッド2世の姿をより残忍に・美しく際立たせ、
必死の抵抗を試みながらも費えてしまうビザンティン帝国の悲劇を
リアルに映し出しています。

 「甘美でスリリングな歴史絵巻」と裏表紙の解説文が的を得ているとおり、
オトナで知的な雰囲気が存分に溢れたスペクタクル歴史巨編です!
このレビューは参考になりましたか?
33 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
塩野七生の著作を読むのは初めてであったが、その綿密なデータの集積を思わせる内容に驚かされた。長い歴史を持つ東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルの滅び行く過程は、何百年も前に起こったことなのに、その時間差を感じさせないことに驚いたのだが、数多く出てくる登場人物が全て実在であったという事が発覚し、さらに私を驚かせてくれた。

塩野七生の素晴らしい点は、歴史を綿密に調べるという姿勢だけではない。そんなことは専門家がもっと詳しくやっている筈である。塩野七生はその歴史を、歴史に明るくない私にさえもわかりやすいように物語化することが出来るのである。数多くの登場人物が出てくるが、権力者ではなく、実際に戦った民衆の心情も多く吐露されていて、一つの出来事に対して多!角的な把握を求める塩野七生の生き様まで伝わってくるように思われる。ジェノバ人とヴェネツィア人が一緒に戦う上での行き違いや、それを超えた団結についてなど、読み終えた後でも読者を考えさせるような示唆的な要素にも満ちている。

読み終えた後、私は深い感動とともに世界史の教科書をひも解いてみたのだが、とても簡素な記述に落胆したのを覚えている。しかし、世界史の教科書に載るほどの事件も、 そうでない事件も深い意味を後に残していくのだと思った。

このレビューは参考になりましたか?
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By イッパツマン トップ500レビュアー
形式:文庫
 塩野氏の歴史小説は司馬遼太郎氏のそれと同様、小説としてドラマティックさに焦点を当てて歴史を語る点や正確性等の点から専門筋からは概ね評価が低い。(一番の理由は彼女の書く本の方が売れるという妬みが大きい、と塩野氏本人が言っているが(笑)。)そういった批判を彼女自身は正面から堂々と引き受けていて、時には専門家を挑発するように架空の資料を捏造してエピソードを挿入し、専門家筋の反応を後からネタ晴らしするということもやっている。こういう人なので、彼女の小説は専門的な細部に捉われず、歴史エンターテインメントとして気軽に楽しめばよいだろう、というのが僕の意見だ。

 さて本書の内容だが、日本人には馴染みの薄い東欧とイスラム世界の興亡史を扱った三部作の一つである。色々な国籍・立場の人々が様々な思惑で一つの帝国の終焉に立ち会う様をドラマディックに描き出していて面白い。また、その様な多様な人物達が一人の若きイスラム王の圧倒的な力でコンスタンティノープルの城壁と共に潰され流されていく様も、著者らしい残酷なリアリズムを感じる。主要人物に女性が全く出てこないという「男贔屓」なところもこの人らしいが、逆に実際にこのヨーロッパ史を揺るがす大事件において本当に女性が一人も活躍と登場の余地がなかったのかどうかは疑問ではある。(勿論、これは作者が調査した当時の報告書や伝記に女性が登場しなかったということかもしれないが。)これが理由で星は一つ削ったが、それでも歴史読み物としては十分面白く、また相当量の歴史資料を参照したことも感じられる労作だと言えるだろう。
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