コンサルタントは知識の切り売りで金をもらうな、など本質をついた記述がところどころある。
ただ、参考になったのは20ページくらいで、残りはダラダラと大昔の自慢話や自社の宣伝ばかり。とくに、ホンダやユニチャームは俺の言うことを聞いて成功した、ダイエーや日航は俺の言うことを聞かなかったから失敗した、というくだりは、読んでいてゲンナリした。
戦略コンサルタントの第一人者を自負する著者にとって、最近の「コンサルタントの大衆化」は我慢がならないのだろう。しかし、これだけ世の中のニーズが多様化しているのに、戦略コンサルタントだけが本物のコンサルタントで、他はすべてまがい物というのは、まったく説得力がない。
著者は戦略コンサルタントが過去30年に渡って日本企業に付加価値を提供してきたと主張するが、では日本の大企業が戦略的にまったく進化していない事実をどう説明するのだろう。「俺の提案を聞かなかったクライアントが悪い」というのが言い分だろうが、綺麗なプレゼンをしておしまいで成果実現まで関与しない戦略コンサルタントの限界があるのではないか。
冒頭のハーバードMBAの自慢話を含めて、どうして著者は「俺はスゴイ」と主張したがるのだろうか。著者くらい社会的評価を得ている人間なら、もっと謙虚に自分やコンサルティング業界を見つめ、戦略コンサルタントの功罪を論じて欲しかった。