本書で言う「解答」は、仕事の成果や人間関係構築までも含んだ包括的な解答であり、「期待値を読む」・「本質を彫り出す」・「ロジックとパッションで人を動かす」の3部構成で解説している。
目線を合わせ立ち位置を知るために相手の「温度・湿度・輝度」を観ること、情報整理のための「束ねる・ひもとく・捨てる・凝縮する」4つのプロセス、「知識よりも意外な視点を提供し点から線・面へと展開することで相手のパラダイムを変えてしまう」解答テクニックなど、コンサルタントに限らず知的アウトプットを求められる全てのビジネスパーソンに取って参考となる思考法やスキルが数多く学べると思う。
その意味で「現場力」・「質問力」に続く良書だろう。
ただし通読して気になるのは、文章が粗いことと野口氏の感性のみで書かれている部分が多いことだ。
元々野口氏並びにHRIの書籍の「売り」は、論理の緻密さや堅牢性を多少犠牲にしながらも、コンサルティングの思考法やスキルを「判りやすい言い切りと勢い」で書いている点だと思う。そこが、マッキンゼーやBCG系のコンサルタントの書籍とは一線を画すところだろう。しかしその「売り」も一定レベルの質感が維持できないと、評価がガクッと下がってしまう気がする。
この本がそうだとは思わないが、野口氏の「コンサルティング・マインド」を読みその深さに感銘を受けただけに、今後も書籍の粗製濫造だけは避けて欲しいと願っている。