コレステロールは高くてもいいらしい、むしろ、低すぎるほうが悪い、とは最近になって聞くことが多くなってきた。しかしながら、まだまだコレステロールといえば悪役であり、現実の医療現場では、コレステロール低下医療一辺倒だ。
しかし、患者の立場からすれば、不要な薬はもちろん、危険であれば尚更、御免こうむりたい。本書を読むと、そもそも、コレステロールを何故下げなければならないのか、その科学的根拠に、特に日本の現状のコレステロール基準値の低さに、極めて大きな疑問がわいてくる。
昨年2010年9月、既存のコレステロールのガイドライン(日本動脈硬化学会作成)に挑戦状をたたきつけた日本脂質栄養学会。その勇気は称賛に値する。そして、当事者である日本脂質栄養学会の前理事長の手による本書は、まさにタイムリーな一冊、コレステロールに関する著者の真摯な投げかけは、大いに一読に値する。
コレステロール値は、高いほうがよいのか低いほうがよいのか、一度、従来のコレステロールの常識を問い直す時期がきているのではないだろうか。