1960年10月21日から26日までの6日間にコルトレーンは3枚のアルバム分以上の驚異的なレコーディングを行っている。これが編集して出来上がったアルバムが、『マイ・フェイバリット・シングス』・『コルトレーン・プレイズ・ブルース』そして本作『コルトレーンズ・サウンド』である。
こういう集中的レコーディングが出来るということが天才の証でもある。僕の敬愛するキース・ジャレットも1983年1月ニューヨークで『Standards vol.1』、『Standards vol.2』、『Changes』の3枚を同時録音している。僕はこの3枚をキースの三つ子のアルバムと呼んでいるが、そういう意味で『マイ・フェイバリット・シングス』・『コルトレーン・プレイズ・ブルース』そして本作『コルトレーンズ・サウンド』もコルトレーンの三つ子のアルバムである。
アルバム・カバーはマーヴィン・イズラエルの手によるものである。これだけは三つ子の中で際立って素晴らしい。
1960年4月にコルトレーンがマイルスの元を離れ、自らのグループを始動した時にはドラマーはビリー・ヒギンスだった。それがここからエルヴィン・ジョーンズになっている。この有機的なリズムを生み出すドラマーの加入がコルトレーン・サウンドにいかに不可欠であったかは本作を聴けばあまりに明白である。彼のはじき出し生成するリズムは一つとして同じではない。そこが凄い。
閑話休題、モード奏法を確立したコルトレーンにエルヴィンの有機的ドラム。ジャズの至福の時をこのアルバムは与えてくれる。