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コルトレーン――ジャズの殉教者 (岩波新書)
 
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コルトレーン――ジャズの殉教者 (岩波新書) [新書]

藤岡 靖洋
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ジョン・コルトレーン(1926-67)。そのサックスから迸る音は、ジャズという音楽を根本から変えた。本書は、世界的に知られる研究家が著す、決定版評伝である。発掘資料、貴重写真、関係者へのインタビュー記録などを駆使し、ジャズの可能性を極限まで追求しつづけ、ついにはジャズに殉じて逝った男の全人生を描く。

内容(「BOOK」データベースより)

ジョン・コルトレーン(一九二六‐一九六七)。そのサックスからほとばしる音は、ジャズという音楽を根底から変えた。本書は、コルトレーンをよく聴く人はもちろん、これから聴き始める人にも格好の決定版評伝である。熱く煮えたぎる時代のなか、音楽が世界を変えると信じ、ジャズの可能性を極限まで追求しつづけた男の全生涯を描く。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/3/19)
  • ISBN-10: 4004313031
  • ISBN-13: 978-4004313038
  • 発売日: 2011/3/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 180,517位 (本のベストセラーを見る)
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26 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By lera
形式:新書
 本書にはなんと「新しい発見」のあることか、まずそれに驚く。今まで種々の書物・データに散見されていた情報を集めたといったものではなく、体系的に網羅的に書かれている。また、ダカールやバカイといった曲名からの解題も著者の理解の深さと、コルトレーンに対する尊厳にも似た愛情を感じる。
 人間関係、音楽的技術の進化なども音楽的専門語を理解できない私のような単なるジャズファンにも理解できるように説明されている。
 驚愕の書であり、感動の書であり、奇跡である。
 すべてコルトレーンファンに、ジャズファンに、音楽ファンに読んでもらいたい。また、アフリカ系アメリカ人の歴史などに興味を持つ人たちにも是非読んでほしい。
 著者の渉猟のすさまじさ、理解の深さ、真摯な姿勢、そういったことが肌に伝わる。そして、ジャズがいかに素晴らしい表現芸術であるかも悟ることになる。

 まさしく、奇跡の書である。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By unt
形式:新書|Amazonが確認した購入
コルトレーンの生い立ちから始まり、どういうものに触れて自己を確立してきたかを、世界的に有名なコルトレーン研究家である著者が解説しており、コルトレーン・ミュージックへの理解が深まる良書だと思います。

ただし、少し気になるところも。例えば、あまり話題にはならないがコルトレーンは黒人としてのアイデンティティを前面に出した楽曲が少なからずあることを紹介しており、その解説では「Africa/Brass」に収録するつもりだった”Song Of The Underground Railroad”と”The Damned Don't Cry”が政治色が強いからという理由で当時は外されたとしています。その話に連なって「Bahia」の発売時期が遅れた理由も「当時は時期尚早と判断され」、「公民権運動の盛り上がりが最高潮に達した」65年にリリースしたと政治的理由としてすぐにリリースされなかったと言う意味で同列かのように扱っています。前者はコルトレーンの発言からを根拠としており違和感がないものの、後者はリリースが遅れたことについての根拠は単に「時期尚早と判断され」とだけ書かれていて実は理由を示していません。

プレスティッジ・レーベルと言えば、契約が切れたマイルス・デイヴィスの「Cookin'」「Relaxin’」「Workin’」「Steamin’」を、それぞれ57年、58年、60年、61年にリリースしていて、ハービー・ハンコックなどと活動を始めていた時期まで引っ張って売ろうとした前歴のある会社であり、録音当時には手にしていなかったソプラノ・サックスのジャケットを使って発売された「Bahia」が政治的な理由でリリースを見送られたとは素直に思えないわけです。それが本書をなんとなく読み流していると「Bahia」は政治的な理由でリリースが見送られたかのように読めてしまう。

一言で言えば、主観性と客観性の線引きが曖昧なままコルトレーン像が作り上げられているかのようです。

だから、著者が「コルトレーンの黒人アイデンティティ表現は実は旺盛でありつつも抑圧されていた」というイメージを恣意的に植え付けたいんじゃないかと穿った見方をするようになってしまい、以降もところどころで根拠なく書かれている部分は著者の「コルトレーンはこうなのだ」という思い込みと世間にその考えを刷り込みたいという意図で書かれているのではないかという疑念を抱きながら読み進めることになってしまいました。あとがきで、自分の足で得た情報と世界中のコルトレーン研究家から得られた情報、著書に基づいていることをことさら強調しているのも却ってExcuseのように感じてしまいます。

本を書くこととは著者の思いを書くことであり、どう面白く読ませるかというのも重要であることはもちろん理解しているし、総合的には深い洞察に基づいて書かれている良書であるという先の言葉を否定するものではありませんが、没頭して読めなかったのも事実でした。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
実は、コルトレーンは大の苦手。中学・高校生時代はモダンジャズの全盛で、正直言って、コルトレーンは騒々しいばかりで難解−ハチャメチャにしか聞こえなかった。騒音としか思えない爆音を前にしかめっ面で片肘ついて聴き入るファンは到底私の理解を超えていてむしろ滑稽に映った。

ようやくこの歳になって、少しだけ敷居が低くなったようで、初めて聴くアルバムであっても素直に耳に入るようになった。

さて、本書のことだが、もともとのコルトレーン・ファンはもとより、私のような入門者にも断然面白い。というのは、本書が、50〜60年代のアメリカの光と影を活写し、すぐれたアメリカ現代史書となっているからだ。

例えば、コルトレーンが終戦直前に海軍に入隊し、たったの9ヶ月で除隊した後に、GIビル(退役軍人基金)をもらって音楽学校に通い、フィラデルフィアに自宅まで購入したというエピソードからは、当時の民主党のばらまき政策による黒人中産階級の台頭の瞬間が垣間見えてくる。

あるいは、当時のクラブオーナー、ビッグバンドやメジャーレーベルによる黒人ミュージシャンの搾取ぶりや、それに嫌気した彼らをうまく使ったプレステージなどのマイナーレーベルの蠢動ぶり、マイルスのようなスターとの路線対立などなど興味深いエピソードが満載。

コルトレーンの音楽が、メッセージ性が強い抵抗の音楽でもあって、レーベルによってつぶされかけたプログラムも多いということも初めて知った。

著者は、京都の呉服屋の店主。好きが嵩じて地所に「コルトレーン・ハウス」なるものまで建ててしまった。コルトレーンゆかりの地を訪ね歩き、和服姿でコルトレーンの親族・縁者、友人などにも直接会って話しを聞いたという。

それだけに、わかりやすく、人物と時代を活き活きと描いた出色の評伝となっている。
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