トム・クルーズばかりが目立っていますが、マイケル・マンの新作として見ている方も大勢居られると思います。私もその一人、ストイックで孤高な彼の映像ワールドにまたもしびれる傑作でした。
マイケル・マンの十八番の舞台ロサンゼルスの一夜の出来事。ある殺し屋(トム)とかかわったため大きく人生が変わるタクシー運転手(ジェイミー・フォックス)の物語。たったこれだけの話なのですがそこはマイケル・マン、男の美学を徹底的に追及した独自の世界観で見るものを圧倒します。
トムのひげ面、スーツ姿は「ヒート」のデ・ニーロを彷彿とさせました。名前がヴィンセントというのもご愛嬌といったとこ(笑)。演ずるトム・クルーズは若干目線がゆるく優しそうに見え、そのドジぶりも手伝って、冷酷無比さがいま一歩といったところ。それでもかなりいい感じ出てました。
対するジェイミー・フォックスですが、正直、ここまで演技派とは思ってもいませんでした。マンの撮り方が巧いのか、彼のいままで一番の演技ではないでしょうか。
女性検事役のジェイダ・ビンケット・スミスは何処かで見たこと有ると思っていたら「マト・リロ、レボ」のナイオビ様でした。 それと中盤出てくる、フォックスを襲う街のチンピラ、ディカプー(L・ディカプリオ)に見えるのですが、カメオ出演!? 人違い!?
それにしてもマンの撮るロスは実に鮮やか。物語が夜の出来事なので、ほとんどのシーンが夜間。街の明かりが何処までも広がる広大な都市。光と闇の微妙なコントラストがかもし出す雰囲気はまさにマイケル・マンの真骨頂。その極めつけはラスト近く、トムとフォックスがコヨーテと出会うシーン。映像と音楽で彼の美学を表現している特徴的なシーンでした(マンの実体験らしい)。音楽が渋いのも映画を盛り上げる一要因でした。サントラ要チェックはいうまでもありません。ちなみにサントラも星5つです。