本書の最大の特長は、翻訳書では版権の関係などで掲載の難しい写真を豊富に使用している点である。実際に使われた企業の広告や製品パッケージ、展示会やショッピングモールなどのカラフルな写真が、原書の雰囲気をうまく伝えている。コダックのレンズ付きフィルムに見られる「機会による細分化」の例や、ギ・ラロッシュの広告に見られる「文化的環境に合わせた」広告表現の例は、本書で述べられている内容をうまく受けており、読者の理解を助けてくれる。
コトラーのマーケティング書すべてに共通することだが、本書もまた、マーケターが意思決定する際に役立つフレームワークを数多く提供してくれる。それぞれの市場をどう分析するか、市場をどう細分化し、どんな価格、流通手段、プロモーション手段で製品やサービスを伝え、提供するかなどといった話は、多くのマーケターあるいは経営者の欲するところだろう。
本書はいわゆる「バイブル」的な書であり、それだけに時代が変わっても移りゆくことのない普遍の原理について述べている。翻訳書ということもあり、事例には最先端の内容は望めないが、そのことを差し引いても学ぶ価値のある良書である。すべてのビジネスパーソン、あるいは今後、マーケティングを学ぼうとする人におすすめしたい1冊である。(土井英司)
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
入門用だが、いかんせん、量が多すぎ・・・,
By
レビュー対象商品: コトラーのマーケティング入門 (単行本)
マーケティングの入門書である。マーケティングの前提知識なく、読むことができる。また、著者のフィリップ・コトラーは、おそらく、世界一のマーケティングの大家であり、本書の内容も、まさに王道をいく。本当の意味での基本である。世の中に、「○○マーケティング」と、自己流のマーケティングを解説する本が多いが、そういった本の内容は、普遍性がなく、応用が利きにくいことが多い。それに対し、この本は、市場の細分化、標的市場の設定、ポジショニング、マーケティングの4Pなど、現代マーケティング理論のベースとなる基本が、丁寧に記述されており、普遍的な内容である。ただ、量が多すぎる。約650ページで、本のサイズも大きめ。通常のビジネス書が、200~300ページであるのと比べると、数倍以上の分量であり、読みきるのは大変。分量が多いのは、豊富な実例が載っているためであり、読みやすさは評価できるものの、章によっては、飽きやすいところもあると思われる。実際、本書は「学生向けの教科書」という位置付けなのだろうが、多忙なビジネスマン向けに、分量を削った1冊を期待したいところだ。
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
少々高いがその価値はある本です,
By どら - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: コトラーのマーケティング入門 (単行本)
これまで出身学部や仕事の関係で少々ファイナンスやアカウンティング方面の知識に偏重していたのですが、仕事でフロントにたつことになり、またマーケティングや営業など違う分野の知識を習得したいと思い購入しました。著者やマーケティングの世界的権威で定評のある方ですし、日本のマーケティングで有名な教授もコトラーに関してはまずは本書がお勧めとの雑誌の記事があったので、少々高いとは思いましたが購入しました。確かに分量は厚いのですが、写真や企業の実例などが豊富で読みやすいです。マーケティング上の重要な概念であるSTPや4Pなど基本的事項についてしっかり解説してあります。自分が未知の分野をはじめて勉強するときは、下手な本を読むよりはやはり定評のある本からしっかりと入るべきだと思いますし、その点からもお勧めの本です。
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「入門」だけど、誰でも、いつでも、おすすめのマーケティング書,
By
レビュー対象商品: コトラーのマーケティング入門 (単行本)
マーケティングの専門書でこんなにブ厚いとなると、ちょっとカタ苦しい感じがするけれど、本書はじつに読みやすい。 翻訳も一見専門的な難しい言葉はあまりなく、単語も文章もこなれているし、事例も豊富で、構成もわかりやすい。「マーケティングとは何か」にはじまり、マーケティングにかかわるあらゆるポイントをていねいに解説してくれています。また、さまざまな実践例を紹介したコラムが随所にちりばめられており、これが疲れたときの骨休めというか、楽しみながら事例が学べます。 学生をはじめとするマーケティングの初心者だけでなく、現役の実務家やマーケティングに関わるすべての人におすすめの一冊です。
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