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コスメの時代―「私遊び」の現代文化論
 
 

コスメの時代―「私遊び」の現代文化論 [単行本]

米澤 泉
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

メイクで自己プロデュースする女性たち。私らしさや個性を追い求める時代から、ゲームのようにキャラになりきり「私」を遊ぶ時代へ。

なぜ今、化粧なのか。本書は、八○年代から現代にいたるまでの若者文化・価値観の変容をファッションと化粧から読み解く。少女、ファッション誌とモデル、ブランド、フレグランス、フリーク。五つの事例を通して、着ることで私を表現する「私探し」の時代から、化粧によって私を着替える「私遊び」の時代への推移を明らかにする。

[関連書] 浅野智彦編 『検証・若者の変貌』 (勁草書房刊)

内容(「BOOK」データベースより)

80年代がファッションによる私探しの時代ならば、90年代以降は化粧による「私遊び」の時代である。…日替わりでさまざまな「私」になり、いくつものキャラになりきることで、「私」を着替え、「私」で遊ぶことが求められている。化粧はそのための最適な手段なのである。モノで私を表現する時代から、モノのように「私」を遊ぶ時代へ。本書では「私遊び」としての化粧を通して、まさに着せ替え人形のように今を生きる「私」の姿を浮き彫りにする。

登録情報

  • 単行本: 189ページ
  • 出版社: 勁草書房 (2008/12/12)
  • ISBN-10: 4326653388
  • ISBN-13: 978-4326653386
  • 発売日: 2008/12/12
  • 商品の寸法: 19.2 x 12.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By ママモステ トップ1000レビュアー
形式:単行本
米澤氏の著作では、こちらより先に「私に萌える女たち」を読みましたが、こちらのほうが若干読み物としてのおもしろさという点で勝りました(「私に萌える女たち」は、良質な女性雑誌の参考本です)。題名から見ると化粧の話だけのようですが、ファッションの話も半分ぐらいです。

おもしろさ、と引き換えかもしれませんが、少々議論が単純化されすぎているのではないか、という感はあります。みんながみんな一斉にリカちゃんを捨てて自分遊びに走ったり、ファッションによる自己表現に溺れたりしたのではないはずなので、意識的にせよそうでないにせよそれから距離をとるという決断をした人々についても一言あったらよりよい本としてまとまるのではないでしょうか。米澤氏は、あとがきで自身のファション好きを認めていらっしゃいますが、それゆえに研究対象から批評的距離をとる、ということが難しいのかなあと思いました。

そして、米澤氏のおっしゃるとおり、21世紀の今、化粧は二兆円産業であり、さまざまな人が楽しむ趣味です。だからこそ、それを支える個人の情熱は、彼らがただ単に雑誌や美のカリスマたちにだまされている、というだけでは説明がつきません。なので、もう一歩踏み込んで、コスメ、ファッションを通じた「自分遊び」の実践から広がる世界、などの具体的な話も聞かせてもらいたいなあと思いました。

2000円以上の本なので、購入にはそれなりの覚悟が要りますが、コスメ、ファッションという「表面の」自己表現の変換の歴史に興味のある方には必読書です。
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By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:単行本
 NHKにて化粧やファッションについての番組(東京カワイイ★TV)が放映されるほど、今やそれらは文化の一角を担うようになっている。しかし、その内情は、80年代から今までで大きなパラダイムシフトがあったという。本書はファッション文化論、化粧文化論を専門とする著者が、女性誌の言説を中心にその歴史的な変遷のまとめている。
 
 先端的なデザイナーズブランドを通して個性の追及がなされていた「私探し」の80年代とは異なり、ネットの普及で情報の爆発的な増大という恩恵を受けた現代の「コスメフリーク」たちは、「私」をキャラとして複数化させていく「私遊び」に傾斜する。本書は、あたかもそれがオタク界隈でいわれる編集・解体が可能な「キャラ」のようであり、彼女らは装飾した自分にキャラの一体として萌えているのだと指摘する。

 こうしたコスメフリークの実存と、オタクという実存の類似性の指摘は興味深い。オタクが虚構世界の美少女に萌える一方で、コスメフリークは複数化して装飾した「私」に萌える。歴史的には恋愛の手段としてあったファッションが自己目的していった先で、コスメフリークもオタクと同じように、恋愛から遠く離れていくというのだ。なるほど。
 
 しかし、そうした新たな知見はあるものの、全体を通してみれば東浩紀=データベース消費のパラダイムをほとんど抜け出せていないということは、否めない。ネタを変えて同じような論文が生産された一時のポストコロニアル研究と、状況は似ている。今回はコスメであるが、例えば「テレビ」「お笑い」…とテーマを変えればこの手の評論はいくらでも書けるだろう。すべてのものがフラットに並列されるデータベースであるが、皮肉なことに、そのようなことを論じる言論自体、ヒエラルキーなく並列されている、というなんとも皮肉な話だ。その倦怠感、閉塞感は、この本が評価ができるだけに、より一層深まる。
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