主演のオドレイ・トトゥがシャネル本人によく似ている。ともに眼差しの鋭さが内に秘めた意思・野心の強さを感じさせる。オドレイを起用したことがこの映画の成功の大きな要因だ。
その他のキャスト、女性監督を中心とする衣装・美術等のスタッフの仕事も称賛に値する。20世紀初頭のフランス社会が徐々に変化してゆく様子が見事に表現されている。フランス絵画を観るような趣のあるショットが随所にある。
そして、シャネルによるモードの革命・女性の窮屈なファッションからの解放がいかに本人の貧しい生い立ちと関係し、恋した男性を通じてその素材を見つけていったか、良い勉強になった。それらのことを解説する約40分の特典映像を含めて、女性はもちろん、普段はファッションに縁遠い男性諸氏にもお薦めしたい、
ちょっと淡々としすぎている嫌いがあることには注意。でも続編を期待したくなる映画だ。