前作「−−ヒトランダム」では人格の入れ替わりでしたが、今回<ふうせんかずら>が彼らに与えた試練は「欲望解放」。要するに「○○したい」と考えたことが、理性で押さえつけられなくなってしまうということです。
試練のさなか、普段なら理性で押さえていた「言葉」が相手に突き刺さり、傷つけあって5人の仲間たちは空中分解寸前までいきます。
欲望解放で一番危険なのが「言葉」というのが目から鱗です。確かに、思っていることを100%解放して話したら、人間関係も何もあったもんじゃありませんね。「言葉の暴力」ほど恐ろしいものはありません。
そんな中、自分を見つめ直しつつ立ち直るのが我らが主人公・八重樫太一です。
…実は前巻でもそうでしたが。ただ、今回は彼がただ突っ走っただけではなくて、仲間を巻き込んでみんなで解決していったというところが彼の成長したところでしょう。
この物語で起こる事象が事象だけに、どうしてもそちらの解決に目を奪われがちですが、それに伴う彼らの成長に是非目を向けてほしいです。
ところで、最後までヤバかった稲葉ん。ついにデレたか。
稲葉のようなタイプは、どうしても「アテ馬」になりがちで、このタイプで主人公とハッピーエンドになったのは、パッと思いつくところでは「創立!?三ッ星生徒会」の葛城まどかぐらい。素直に太一&伊織では個人的に順当すぎて面白くないので、是非稲葉にはがんばってほしいです。
それはともかく、あくまでも等身大の彼らの物語に今後も期待したいと思います。