副題にもある通り、本書は「感動」の大切さ、感動を起こすにはどうしたらよいかを述べた、「感動ノウハウ本」です。
著者の木下氏は、大学に入ると同時に有名進学塾の講師になりました。生徒たちのアンケート結果で人気が出るとバイト代が上がり、人気がなくなると辞めさせられるという、実力主義の塾です。
はじめは人気の出なかった木下氏に、ある日先輩が次のようにアドバイスしてくれました。
「お前はその一分で生徒の心をつかんでいないだろう。
魂を揺さぶっていないだろう。だから時間がもたないんだ」
「授業は心や。ワザも大事だが、心がなかったらワザは生きない」
目からうろこの落ちた木下氏は、見違えるような人気講師になりました。
大学を卒業して銀行に勤めたものの、子どもたちとの魂の交流の醍醐味が忘れられず、発作的に退職届を出してしまいました。今度は幹部社員として塾に復帰した木下氏は、子どもたちを感動させるワザと心に磨きをかけます。
実は、私はこの本に感動しないように注意して読みました(笑)。
決して著者の木下さんを疑っているわけではありません。本書には感動のエピソードではなく、感動を引き起こすノウハウが書いてあると知ったからです。
ノウハウを説明する例として、木下さんが経験したとっておきのエピソードが語られていますから、あぶなく感動しそうになります。でも、感動を演出する人は自分自身が我を忘れていてはいけません。
グッとがまんして、冷静に読みすすんでみたのです。
ところが、最後の6章では、木下氏の熱い心から発する熱いエピソードが連打されました。物事を頭で理解するのではなく心で理解させよう、という著者の姿勢に大きく心をゆさぶられます。
“感動”しちゃったかもしれないな。
やるな、木下さん!
感動しながら感動のノウハウを学べる、お得な本です。