イントロを耳にした瞬間、その先を聴くまでもなく「ぴん」と来てしまう曲がある。
最初に聴いたのはアニメ第1話のEDだった歩美ヴァージョンだけど、後日譚そっちのけで
作詞・作曲・編曲クレジットが表示されるのを待っていたことを覚えている。
このアニメは無駄に(失礼!)楽曲に力が入っていて、それでいて力みは感じられない。
いい歌が好きでどうしようもない人たちが、やりたい事をやっている姿が目に浮かぶ。
「コイノシルシ」は間違いなくこのプロジェクトを代表する曲だ。親しみやすいメロディーを
前面に押し出した正統派ポップ・ソング。でも細かい音色にまで気を配っているから、
聴き込むと興味深い点が次から次へと出てくる。2曲目から6曲目はこの曲を知るための
絶好の教材で、ヴォーカルの処理の仕方に楽器の選択、どの素材をどのタイミングで
混ぜ合わせるとどんな効果が生まれるのか等々、ヴァージョン違いで伝えてくれる。
骨格のしっかりした曲はどう料理しても良いものになるという見本であると同時に、
素材を活かした調理方法とはかくあるべしという一つの手本でもあるのだ。