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6人6様の、香りのモチーフの豊富さにまずもって感服します。
たとえば、中学生の主人公が母親とその恋人から感じる同じ匂いのシャンプー。東北の街の寒い朝の部屋にたちこめる、豆を煮る匂い。夜の海と煙草の匂い。たった一つの贅沢として芳香剤代わりに使われるレモンスライス。6つのエピソードは、香りと恋がとけあって絶妙な後味を残してくれます。
芥川賞候補者や直木賞候補者の著者たちに混じって、宮下奈都という名前を初めて知りました。2004年に文学界新人賞でデビューしたばかりだそうです。でも、この人の作品がいちばん心に残りました。胸がズキズキするようでした。
角田光代さんは、中学生の何も決定権のないはがゆさを書か... 続きを読む
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