今となっては古い映画ですが、手法もネタもさらに古いサイレント時代のものをふんだんに取り入れた映画で、時代を超えた面白さを提供してくれます。少々お色気ネタもありますが、子供から大人まで楽しめる映画のひとつでしょう。生物学者役のワイアーズ氏を筆頭にコテコテのギャグを楽しむもよし、笑顔を絶やさず素の演技がツボにはまる故ニカウ氏のほのぼのとしたカルチャーギャップネタを楽しむもよし、と盛り沢山の映画です。
作品自体は文句なしの出来ですが、日本語字幕の翻訳が今ひとつな点は残念です。
"I don't want to talk about it."や"I noticed."など、幾度となく繰り返される台詞があるのですが、訳が統一されていません。意味としては通っているのですが、コメディの手法の一つである反復表現を理解した訳とは言いがたいでしょう。
特にナレーションの部分などに妙に硬い訳が混じっているのも気になります。異文化を紹介するというドキュメンタリーの側面もある作品ですが、そこは割り切ってコメディ寄りのくだけた口語調で統一した方がこの作品には似合うでしょう。
TV放送時の日本語吹き替えが秀逸だっただけに、当時を知るものとしては少々残念です。
もっとも、英語自体も平易であり台詞抜きで進行する場面も多いので、日本語字幕無しのほうが楽しめるかもしれません。国内販売のDVDでは珍しい英語字幕も付いています。
また、子供でも楽しめる作品なだけに日本語吹き替えが収録されていないのも少々残念といえます。
「16mm?」と言われても不思議ではない使用マスターやデジタル化プロセスのせいか画質は少々見劣りします。まあ、これは古典を見ているつもりで見ればむしろ味とも言えますが。
この作品は何度か再版されているようですが、次回の再版時はこういった問題点を解消してくれることを望みます。