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ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)
 
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ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書) (新書)

by 東 浩紀 (著)
3.7 out of 5 stars  See all reviews (24 customer reviews)
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Product Description

著者からのコメント

こんにちは。  
 こちらでははじめまして。著者の東浩紀です。  
さて、この『ゲーム的リアリズムの誕生』は、『動物化するポストモダン』の続
編ですが、それを読んでいないひとでも読めるように書かれた書物です。とりあ
えずは、ライトノベルやノベル系のアドベンチャーゲームに関心のあるひとに読
んでいただきたいと思っていますが、それらの作品に触れたことがなくても、
現代のエンターテインメントに興味がある読者一般に広く読まれる内容になって
いると思います。  
 本書の主題は、ひとことで言えば、「ポストモダン、すなわち物語の力が衰え
た世界において、それでも物語を語ろうとすればどうなるか」というものです。
この課題は、現代の多くの作家が直面するはずのものですが、僕はこの本では、
いくつかの理由からライトノベルと美少女ゲームを分析対象として選びまし
た。状況や作品については解説が入るので、特別の予備知識は必要ありません。
 
 議論は2章に分かれており、第1章では、新城カズマの入門書を用いてライトノ
ベルについて最低限の知識を確認したうえで、評論家の大塚英志の議論、とりわ
け『キャラクター小説の作り方』を批判的に読みながら、「まんが・アニメ的リ
アリズム」「ゲーム的リアリズム」の理論が探究されます。第2章では、その結
果を受けて、『All You Need Is Kill』『ONE』『Ever17』『ひぐらしのな
く頃に』『九十九十九』が分析されます。参照対象の中心はライトノベルと美
少女ゲームですが、『九十九十九』が挙がっていることからわかるように、一般
小説へも言及しています。とくに第2章の冒頭では、伝統的な文芸評論への批
判も記されています。付録として、清涼院流水論と『AIR』論を収録していま
す。『ファウスト』連載時の原稿は完全に書きかえられており、書き下ろしと
言って差し支えありません。  
 僕は1993年に批評家としてデビューしており、振り返るとすでに15年近いキャ
リアをもっています。この『ゲーム的リアリズムの誕生』には、その長さを受け
て、さまざまな文脈が流れ込んでいます。この本は、ある見方で見れば、僕がは
じめて記した本格的な作品批評であり、他方では、僕がここ数年、あまり書籍に
ならないかたちで行ってきたライトノベル・ブームへの関与の総決算でもありま
す。またそれは、前著と同じく、社会学的な文脈でも読めるでしょう。むろ
ん、近年のオタクブーム、コンテンツブームの流れのなかにもあります。  
 けれども、僕個人の文脈を言えば、これは、僕がはじめて、最初から最後まで
を体系的に構成し、その意図がなんとか実現できた本です。  
 僕のむかしからの読者は知っているかもしれませんが、僕は学生のころ、
ジャック・デリダという哲学者の研究をしていました。デリダの思想には「脱構
築」というキーワードがあり、それは要は、真の思想は体系化できないという教
えです。そのせいもあって、僕はいわば、体系的な書籍を書くことができない体
質になっていました。本書は、その体質を改善するために記した本でもありま
す。したがって、本書は、内容に読者のみなさんが同意されるかどうかは横に措
いて、とりあえずは僕のいままでの本のなかで、もっとも読みやすく、ま
た論理的な著作になっていると思います。  
 「批評」というと、聞き慣れないタームを並べ立て、単なる印象論を難し
く理論武装するだけの困った言説というイメージがあるかもしれません。実際
に、世の中には、そのように非難されても仕方がない「批評」が数多くありま
す。批評家のひとりとして、そのような状況を恥じるとともに、なんとかオルタ
ナティブを差し出すことができないか、と考えて記したのがこの本です。
 
 多くの読者に読んでもらいたいと思います。よろしくお願いします。

著者について

東 浩紀(あずま ひろき)
1971年生まれ。哲学者・批評家。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。
2006年10月より、東京工業大学世界文明センター特任教授。
単著に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞)、『郵便的不安
たち』(朝日新聞社)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、共著
に『自由を考える』『東京から考える』(以上、NHKブックス)、編著に
『網状言論F改 ポストモダン・オタク・セクシュアリティ』『波状言論S改
社会学・メタゲーム・自由』(以上、青土社)など。
2007年4月より講談社BOXから評論集三巻を刊行。

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24 of 36 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars オタク主義的物語消費論, 2007/4/1
By ソコツ - See all my reviews
(TOP 50 REVIEWER)   
比較的高度な内容ながら読みやすく思考を刺激してくれる文章なのでささっと読めた。著者が危惧しているとおり単純にオタク評論(分析)として消費してしまったのだが、著者より一回り若い世代ながらオタクではない私にはそのようにしか読めない。内在的な実感に乏しく、言葉が身にしみてこないのである。しかしながら、オタクたちの金と時間の投資対象としての文化商品やその商品をとりまく想像力の構造に関する批評としては、きわめて優れていると思う。
前半の理論パートは大塚英志への共感的な批判がよくて、大塚のマンガ・アニメ論をとても平明かつ簡潔に説明したあと、しかし大塚が「ゲームのような小説」を否定的に評価することに対して物申す。記号的でありながらも登場人物がちゃんと死ぬ(死にうる)まっとうなマンガやマンガ的な小説表現とは異なり、リセット可能性を前提としたゲーム的な小説はけしからん、とする大塚に対して、著者は、キャラが一人歩きしメタ物語の空間の中で半無限的に転生しつづけるゲーム的なリアリズムを見落としてはならないのであって、そのメタ物語が自動展開する想像力の環境において物語が生産されているのが今の新しい状況だし、そのリアリティを考えないと小説論としても時代批評としても足りないよ、とゲーム的なものを擁護するかのように主張する。
そうした主張の論証として、後半の作品論がある。ここでのライトノベルや美少女ゲームの内容紹介と構造分析は誠に興味深く、どの作品も私は知らなかったが、著者の議論を読んでいると何か確かに斬新で工夫をこらした試みがなされているのだなと納得し、個々の作品をかなり読んで(プレイして)みたくなった。ま、その商品を店頭で買うのが何となく恥ずかしいので、たぶんやらずじまいだと思うが(アマゾンとかで購入するしかないな)、少なくともオタクの文化に対するリスペクト度は高まった。
本書の全体を通した違和感があるとすれば、それは著者の「自然主義」小説のネガティブな扱い方である。ゲーム(的な小説)のすごさを証明しようとする上での戦略なので仕方がないのだろうが、いささかおおざっぱすぎる。昨今の「自然主義」小説の書き手にせよ読み手にせよ、著者の言うように「現代」のベタな表象作品としての「自然主義」文学を創作したり受容するばかりではなく、よりパワフルな言語表現の探求としての「自然主義」に期待し、時にはその期待がかなえられている作家や読者もたくさんいるだろう。でないと保坂和志の小説論など世に出てこないはずだ。
こういう、他の文化現象に対するおおざっぱな理解の提示も手伝って、本書はおそらく残念ながら、「オタク論」としてのみ消費しやすくなってしまっているように思える。

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12 of 19 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars ポストモダンと「おたく」, 2007/5/22
読み終えた第一印象は、やたらと造語をつくるなあ、というもの。

現象を一つひとつ厳密に定義するのは、
アカデミズムの作法としては正しいのかもしれませんが、
度を越すと、逆に実態から離れていっているようにも感じられました。

本書を読んで一つ知ったことは、近年の〈美少女ゲーム〉には、
作中人物でありながら、作品全体を俯瞰して言及することができる、
メタフィクショナルなキャラが出てくる、ということです。

こうしたキャラは、作品内をくまなく見渡すことはできますが、
直接ストーリーに介入できず、他のキャラからは存在すら知られていない者、と
一応定義できます。

いわば〈全知ではあるが、全能ではない透明な神〉といったところです。

それを著者達は、現実のプレイヤー=「おたく」の隠喩だと捉えています。
現実のコミュニケーションから切断され、行動を起こすことなく、
ただただ「見つめる存在」、ということでしょう。

なるほど、と納得。


本書には、瑕疵やこぼれ落ちているものも多くあるでしょうが、
「オタク学」において、無視できない一つの成果ではあると思います。
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16 of 28 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars リアルについて, 2007/4/3
大きなことで気になることは、大塚英志さんの議論を土台にしていることと(もちろん、そこから大きく発展していますが)、そのせいで「実存」というところへ行ってしまうことでしょうか。大塚さんが土台にしている江藤淳から、どれだけ遠く離れているのでしょうか。『作家は行動する』の江藤淳。

現実と虚構の区別を廃して、すべてがデータベースに依存するようなところで、だからこそ、虚構であるキャラクターをも現実のレベルで受け取る感受性、それこそが新しいリアリズム=ゲーム的リアリズムである、というのがとても大雑把な論旨だと思います。著者は、そのような現実と物語、作者と読者を取り巻く現代の環境の分析から出発することに新しい批評の可能性を見ているようです。

節々に興味深い内容があふれ、作品分析もさえていて、なにより論旨の展開が面白い労作です。でもやっぱり、いわゆる文学を「リアリズム」という線で考える限界のようなものがある気がします。ポストモダンな現実を錯覚のように織り込んだ物語によって、現実の読者が肯定される―これは素朴な反映論になる危険がないだろうか。「世界の肯定」という可能性も、「おー、なんかこれリアル」という読者による自我像の投射が文学の可能性のすべてということにならないだろうか。本書が江藤淳のタタリでないことを祈ります。
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1.0 out of 5 stars これは商業出版していいレベルなの?
作品論のページが特に酷く、東氏の自己満足以外の何物でもない。真面目に読むのが馬鹿らしい。金の無駄だった。
Published 15 months ago by n

4.0 out of 5 stars ラノベや美少女ゲームの構造を読み解く
「大きな物語の喪失」「データベース消費」「動物化」などのキーワードでオタク文化を語った著者の前著がなかなか興味深かったため、本書を手にとりました。... 続きを読む
Published on 2008/1/27 by ぷりうす

4.0 out of 5 stars 楽しかった
... 続きを読む
Published on 2007/11/3 by ちぇん

2.0 out of 5 stars バトルジェットとバトルクラフトだけじゃレッツコンバイン無理
文学=自然主義?

著者はライトノベルや美少女ゲームに見られる「メタ物語」性を... 続きを読む
Published on 2007/8/28 by 王子

4.0 out of 5 stars オタクがあってオシャレがない
オタク論としては申し分ないと思いますが、
オタクの感性を説明しただけで
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Published on 2007/8/26 by ランダロンダ

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