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5つ星のうち 5.0
ポストモダンとおたく系文化研究のきっかけを与えた本であることは間違いない。,
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レビュー対象商品: ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書) (新書)
一冊目の『動物化するポストモダン』で語られなかったことについても言及されていて、非常によかった。本書は、非常に重要な本だと私は考えた。 確かに、作品論がどこまでアカデミックなものであるのか、 文学との兼ね合いや、ゲームとの関係性など、 アマゾンのレビューでも議論が行われ、それぞれに意見が対立している。 東氏の功績はまさにそこであるように思える。 確かに時代的なタイミングはあったが、 オタク系文化の研究や議論を、一般の人間にまで行き渡らせた功績がる。 ある意味、東氏が出版して以降と以前では、オタク研究が広まっているのではなかろうか? 単純に、オタクがオタクについてオタク同士で語るのではなく、外部を交えて積極的 な議論ができるようになった。 その功績がこの本にはあると考える。 東氏の意見に反対なものは、反対で、論文を書いて発表すればいい。 しかし、東氏は自分の考えた理論の絶対性よりも、そのあとにくる、 批判などが高まることを望んでいたかのように思える。 一読の価値は十分にあります。
49 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
オタク主義的物語消費論,
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レビュー対象商品: ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書) (新書)
比較的高度な内容ながら読みやすく思考を刺激してくれる文章なのでささっと読めた。著者が危惧しているとおり単純にオタク評論(分析)として消費してしまったのだが、著者より一回り若い世代ながらオタクではない私にはそのようにしか読めない。内在的な実感に乏しく、言葉が身にしみてこないのである。しかしながら、オタクたちの金と時間の投資対象としての文化商品やその商品をとりまく想像力の構造に関する批評としては、きわめて優れていると思う。前半の理論パートは大塚英志への共感的な批判がよくて、大塚のマンガ・アニメ論をとても平明かつ簡潔に説明したあと、しかし大塚が「ゲームのような小説」を否定的に評価することに対して物申す。記号的でありながらも登場人物がちゃんと死ぬ(死にうる)まっとうなマンガやマンガ的な小説表現とは異なり、リセット可能性を前提としたゲーム的な小説はけしからん、とする大塚に対して、著者は、キャラが一人歩きしメタ物語の空間の中で半無限的に転生しつづけるゲーム的なリアリズムを見落としてはならないのであって、そのメタ物語が自動展開する想像力の環境において物語が生産されているのが今の新しい状況だし、そのリアリティを考えないと小説論としても時代批評としても足りないよ、とゲーム的なものを擁護するかのように主張する。 そうした主張の論証として、後半の作品論がある。ここでのライトノベルや美少女ゲームの内容紹介と構造分析は誠に興味深く、どの作品も私は知らなかったが、著者の議論を読んでいると何か確かに斬新で工夫をこらした試みがなされているのだなと納得し、個々の作品をかなり読んで(プレイして)みたくなった。ま、その商品を店頭で買うのが何となく恥ずかしいので、たぶんやらずじまいだと思うが(アマゾンとかで購入するしかないな)、少なくともオタクの文化に対するリスペクト度は高まった。 本書の全体を通した違和感があるとすれば、それは著者の「自然主義」小説のネガティブな扱い方である。ゲーム(的な小説)のすごさを証明しようとする上での戦略なので仕方がないのだろうが、いささかおおざっぱすぎる。昨今の「自然主義」小説の書き手にせよ読み手にせよ、著者の言うように「現代」のベタな表象作品としての「自然主義」文学を創作したり受容するばかりではなく、よりパワフルな言語表現の探求としての「自然主義」に期待し、時にはその期待がかなえられている作家や読者もたくさんいるだろう。でないと保坂和志の小説論など世に出てこないはずだ。 こういう、他の文化現象に対するおおざっぱな理解の提示も手伝って、本書はおそらく残念ながら、「オタク論」としてのみ消費しやすくなってしまっているように思える。
57 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ポストモダンにおいて物語を選ぶということ,
レビュー対象商品: ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書) (新書)
本書は『動物化するポストモダン』の続編であり、「ライトノベル」や「美少女ゲーム」の作品批評という形をとっていますが、ただの作品批評としてしか読まないのであれば、それはあまりにも勿体ないと思います。 なぜなら本書には、 大きな物語の喪失、すなわち自分が手放さないできた価値観や生き方が当たり前でもなんでもなくなったこのポストモダンにおいて、 自分自身がひとつの物語(それこそ価値観や生き方)を実際に選ぶとはどういうことなのか、 その本質を掴もうとする著者の姿があるからです。 なんでも選べそうなメタ的立場と、実際に選んで着地することの不透明さと怖れ。その往復運動に囚われた私たちが、そんな自らの姿をちょっとでも理解できれば、もう少し自由になれるのではないか。 そんな問題意識が聞こえてきそうな本です。 なんだかんだ難しそうなことやってるように見えても、日々の実感からスタートした論考ということでしょうか。 オビイラストの女の子もかわいくてグーです。
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